朝起きて登校したら、金髪美少女に転性しました。
牧之原 渡
Prologue
俺、
同級生の訳の分からないノリや、何かとレディーファーストを求められるなど、何より、
「男の子なんだからちゃんとしなさい。」
という言葉が一番嫌いだった。
もし、自分が女だったらどんなに良かったか、そんな事をいつも想像しながら生きている。
しかし、そんな俺にも人生最大の転機が起きることとなった。
俺の家は結構金持ちの部類に入る方で、高校1年の夏休みを使い、フランス旅行に来ていた。
片道約12時間という地獄の飛行機が、やっとシャルル・ド・ゴール空港に着いたと思えば、これから2時間バスに乗ってオンフルールという町に行くらしい。
そんな俺の体は身長180cm70キロ、さらに中学校時代に野球のクラブチームに入っていた事により、ごつい体つきで、12時間エコノミークラスの狭い空間に閉じこめられた事により、エコノミークラス症候群になりかけてボロボロだった。
「この世の、地獄だァァァ....」
俺の悲痛な叫びもつゆ知らず、我が妹と両親は楽しそうにスキップでバス乗り場に向かっていく。
なんて元気なんだ....とおじいちゃんのような事を言いながら俺はとぼとぼついて行ってバスに乗り込んで揺られること2時間、バスはカラフルな建物のある港町に到着した。
なんだ、思ってたより綺麗じゃん。そう思いながらバスを降りると、中世のような木組みの街並みが広がっていた。港沿いには、可愛い建物とカフェが建ち並んでいて、とてもオシャンティーだ。
そんな港沿いをぬけ、俺たち家族は坂を登っていく。
すると、そこには比較的大きな教会があった。
ガイドブックによると、サント・カトリーヌ教会という場所で、教会にしては珍しい木造なのが特徴らしい。教会の中は、自由に見学できるようになっていて、ステンドグラスが輝いていた。
中学の頃キリスト教主義の学校に通っていた俺はとても興奮して、主の祈りを英語で唱えながら祭壇の前の長椅子に座り、心の中で唱える。
「神様、私は自分が男として生きることが嫌になりました。本当に神様がいらっしゃるならどうか私を女性にしてください」
まっ、こんな願い叶うわけないか(笑)と、私は腰を上げて教会を出る。
その時俺は、そんな馬鹿げたお願いが叶うことになるなど、思いもしなかった。
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