第29羽 龍の国の女王は、イースターさんの同族?

 イースターさんは誰だっけって顔をしているけど、相手さんはイースターさんのことを知っている?ってことは司徒?ドラゴンの国の女王様だから、ドラゴンもしくは、蜥蜴のパートナーの司徒?だとすると、この人も僕と同じみたいに、小学生並みの姿のくせに何千歳?ってことかな?


【ギロ!】


 僕はイースターさんと、その謎の女の子に睨まれる。僕は勢いよく目を逸らした。


「??パァーどうしたのぉ〜?」


「ん、な、なん、でも、ないよ」


 2人の視線が強烈しすぎて、僕は体が萎縮して言葉まで、片言になってしまった。


「きゅ、きゅう?」


「ふぅー」


 話しが戻ったようだ。


「ご愁傷様」


「くろとぉ〜」


 地べたにペタってしてると、頭をポンポンと叩かれた。


「で、誰って、白辰だよぉ〜…こっちの姿の方がいいやんね?」


【ボンッ!!】


「きゅぴ!!」


「「「??」」」


 いきなり少し高めにジャンプしたと思ったら、空中で一回転し白い煙に包まれた。そしてそのなかから現れたのは、先ほどの少女の姿ではなく、真っ白く小さなドラゴンの姿だった。


「きゃ~きゅう!!!」


 もう一回点して少女の姿に戻る。


「やっと思い出したみたいやね!」


 そう彼女は、司徒ではなく。白い獣のほうだったのだ……仲良くジャンプするイースターさんと、ドラゴンちゃん。それを串に齧りつきながら観察するソニカと、黒兎、そして僕。僕は胸ポケットから鑑定眼鏡を取り出して、彼女のステータスを見ようとしたのだが……


 ステータス 解読不可能


 と、初めて見る画面が表示された。一応、故障かなと思い、確認のためにソニカを見てみる。


 ネーム 香月 十二日ソニカ 性別 メス

 レベル 57

 種族 イマニィ・ラビット

 称号 なし


 HP11,400/11,400

 MP-11,600/-11,600

 攻撃力12,825

 防御力10,687

 素早さ3,562


 スキル マイナス レベル-3

 効果。MPがマイナスになる。プラスのMPの動きを、音として聞き分けることが出来る。触れた場所をマイナスにすることが出来る。


 スキル 声色変化・人 レベル2

 効果。発声する声が人の言葉になる。


 うん、普通に表示されてる。ってことは、あのドラゴンの彼女は、阻害魔法とかのスキルを持っているのだろう。あ、そうそう、まだ聖教会について説明していなっかたね。聖教会とは、この世界においてたった1つの宗教。教祖の先祖が、女神様を手伝ったとか、まあ真実かどうかは今じゃ分からないけどね。


 それでこの土地のど真ん中にそそり立つ大きな山の頂上に聖国があり、その国では亜人差別や、魔物差別がほかの国よりひどいらしい。僕は亜人だし、嫁は魔物だからね。行くことなんてないだろうけどね。


「ぐふふ、それでどうなさいます?あの奴隷と、仮契約なさいますか?お安くしておきますよ」


「うぅ~ん、ちなみにおいくら?」


 奴隷商人は、ぐふふといいながら電卓をパチパチと叩いていた。どうやら終わったようなのか、僕たちが座ってるテーブルに電卓を置いた。


(どれどれ金貨が15枚か。それぐらいなら出せないこともない。食費とかを考えても、3年間で貯めたお金があるから大丈夫だろう。)


 僕はランドセルからスライム1号に金貨を丁度15枚取ってもらった。


『残り白金貨2枚、金貨138枚』


「ぐふふ、確かに。こちらに唾液を入れて下さい」


 奴隷商人が壺じゃなくて、おちょこ?を持ってきた、そこに彼女の液体を入れて、僕もそこに唾液を入れた。血でなくていいのか?って聞いたら、今回は仮契約ですのでって言われました。


「わたくしは、契約Symvólaioの真理を読み解き、ここに人と人との仮の契約を結ぶ、主従マスタースリーブ契約コントラクト


 どうやら魔法の詠唱も、僕が黒兎と契約したときの文を、少し言葉を変えただけみたいだ。


 僕の左手と、彼女の左手に魔法陣が刻み込まれる。


「ぐふふ、これで2人目ですなぁ。良きことです」


「それじゃあ、これからよろしくね。イースターさんの夫けん、司徒の香月コウヅキ莉緒リオです。これから宜しくね」


「リオだな!あたいは、リュウネ・ドラグニエィト=ドラグーン1世や!これから宜しくやん。白辰やってますぅ。司徒は、居ないよぉー」


 司徒が居ない娘にあったのは初めてだ。でもなんか、あまり気にしていない様子だった。これにてまた一人仲間が増えました。そんなときだった、【ドンッ!!ドンッ!!】と花火が数発打ちあがった。

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