第24羽 香月 黒兎の能力?

 朝早く僕は目を覚ました。今日も気持ちのいい目覚めだった。僕は隣で寝ているイースターさんたちを、起こさないようにベランダに出た。


 まだ朝6時ということで、街は人っ子一人歩いていなかった。うーんと、体を伸ばしたりして、体を活性化させる。


「良い朝ですね」


「うん。……??」


 1人だと思っていた僕は、黒兎クロトが横で僕と同じように体を伸ばしていたので、びっくりしてしまった。


「んー気持ちいぃ。それじゃあ、わたしは散歩に行って来ますね」


「ん?うん、気をつけてね」


 黒兎は、ベランダから飛んで行った。僕は部屋に戻った後、イースターさんたちを一目見た。(気持ちよさそうに寝ちゃって)僕はその後、直ぐにキッチンに行って、軽くサンドイッチを作った。そのあとは、昨日の残り物のシチューを暖める。


 その間に昼ごはんように、ワトリのお肉をジンジャアー(生姜)と、醤油を使った特製タレに漬けておく。後は、鍋を弱火にして、イースターさんように、あの木ノ実の皮を剥いてと、そんなこんなをしていると、匂いにつられて2人がやって来た。


「きゅうーー」


「オハヨォ〜(●´ω`●)」


「うん、おはよう。顔洗ってきな、黒兎が帰ってきたら、朝ごはんにするから」


「はぁーい」


 2人が顔を洗って帰ってくると、ほぼ同時刻に黒兎が散歩から帰ってきた??何故か黒兎は、血まみれでその背後には、とても大きな鳥らしき魔物の死骸が転がっていた。


「あ、ただいま。これお土産だよ」


「お土産って、あの短時間に何処まで行ってきたの?」


「んーー?街の中を歩いてただけだよ?」


「そんなわけあるか!街にそんな大きな鳥の魔物が出たら、大騒ぎになるだろ、普通!」


「あぁ、お土産のことか。これは、上で狩って来たんだよ」


 上でと、上を見上げても空しか無い。確かに鳥型の魔物がちらほら飛んでるみたいだけど…僕は、黒兎を鑑定した。


 ネーム 黒兎クロト 性別 オス

 レベル 15

 種族 クロェラビット

 契約者 香月莉緒

 称号 なし


 HP2,400/2,400

 MP-3,200/-3,200

 攻撃力1,600

 防御力800

 素早さ7,200


 スキル 黒霧

 効果は、体を黒い霧へと変えることが出来るスキル。その間は、物理攻撃が効かなくなるが、その代わりに光魔法の攻撃が倍になる。


 スキル 暗黒物質ダークマター

 効果は、空気の中から猛毒の黒い物質を、集め作り出す。大きさは、ハンドボールくらい。


 ぐは!……僕の数倍強い能力なんだけど、黒兎が敵じゃなくて、良かったと心底思った。


「主人よ。取り敢えず体を洗って来ても良いだろうか?」


「あぁ、うん。綺麗にしたらみんなでご飯食べよ」


「む、分かった」


 黒兎が裏庭の井戸のところに、体を洗いに行った後、みんなのご飯を茶の間に持って行き、1人で考えごとをしていた。


 てか、黒兎の能力って、チート能力ってやつだよなぁ。あの悪友いや、腐れ縁の友達が無理やり押し付けてきた、ライトノベルの主人公のような、あからさまなチート能力だ。ついでに暗殺特化のチート能力だ。何故だ、何故僕だけ生活魔法なんだ?婚約魔法には、助けて貰ったり、イースターさんと出会えたし、ソニカを授かることが出来たから、なんの文句も無い。だが生活魔法ってなんだよ、確かに闇魔法以外の全属性の魔法を使えるけどさ、それにしてもだよ。光魔法は、ライトしか使えないし、風魔法は、ウィンドォで、皿を運ぶことくらいしか出来ない。なんで、僕だけこんなに弱いの?はぁ、考えても無駄か。丁度みんな戻って来たみたいだし、朝ごはんにしよう。


「それじゃあ、頂きます」


「きゅ!」


「いただきまーすヾ(๑╹◡╹)ノ"!」


「頂きます」


 この時の僕は知らなかった。ウィンドォで、それも無詠唱で、皿を浮遊させて動かすことなんて、普通出来ないということを……。たとえ、詠唱したところで皿なんて動かせないけどね、普通。風なんて、そよ風が起こせるくらいだからね。そう僕は充分チート能力者だってことさ、僕がそのことに気付いたのは、数年後後のお話しである。

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