第19羽 スライムvsスライム?

 朝起きて、孤児院のみんなとご飯を食べてから、日課のスライム狩りへと向かいました。


「今日も〜スライムを倒すのだぁ〜」


「きゅう〜♩」


「スライムってなあにぃー?」


 僕がソニカにスライムの事について、図鑑を見せながら説明していると、スライムが現れた。だけど何か何時ものスライムとは、何かが違った。そう何かが違ったのだ。ソーダスライムだよなぁ?試し斬りしてみれば、何かがわかるのかな?


「イースターさん行くねぇー!!ソニカに良いところ見せるぞぉ!」


「パァーがんもれぇ!」


 がんもれ?頑張れってことだよなぁ!スライムよ!今日の僕はいつもと違うからなぁ!えぃ!?


【ツルン!】


 僕の攻撃は確かにスライムを捉えた、捉えたはずだ。だがしかし、スライムは避けもせずに、僕の攻撃を滑らせたのだ。僕はバランスを崩しながら、前へと進む。おっとっとと、片足でバランスを取っていると、何かに足を取られて、地面に腰を落としてしまった。


「きゅう?」


 イースターさんが心配そうに僕を見ている。僕だってこんな見た目だけど、男だぁ!と、意気込んだものの、ヌメヌメとした液体のせいで立ち上がれない。


 僕はこんなテレビ番組を思い出していた。ローション相撲や、ローション滑り台だ。このスライムは、ローションのような粘液を体から出すんだ。少しずつ僕のワイシャツが濡れて、透けていく。


「きゃあ。」


 僕は男なのに、女みたいな声を出してしまった。どうしてそんな声を出してしまったのかと言うと、スライムの触手が僕のブラのホックを外してしまったのだ。


 どうして男である僕が、ブラを着けている理由は、この装備は女物の下着を着けないと、防御力が-1,000されるという呪いがかかっているのだ。お金も溜まったから、ほかの装備を着ようと思って、この前ギルド近くの店で試着させて貰ったんだけど、男用を着たら爆散し、女用着たら異常な程、体が重くなって動くけなくなってしまったことがあるからだ。


 だから僕は、この服を着続けているのだ。そんなことは置いといて、イースターさんもうそろそろ助けてくれないかな?


「きゅ!」


 イースターさんの威圧が発動し、スライムは僕を地面に置いて、後ろに後ずさった。


「パァーだいじょうぶ?」


「う、うん。」


 ちくしょうあのスライム何なんだよ!娘に良いところを見せようと思ったのに、逆に心配されちゃったよ!この野郎!?何処に行った?背後に居たはずのスライムが、忽然と消えた。その瞬間アナウンスさんの声が聞こえてきた。


『花嫁衣装の特殊強化条件が達成されました。特殊強化条件、清掃スライムが自らの意思で、花嫁衣装の中に入るが達成されました。それにより、新効果、チビスライム生成を行使出来るようになりました。チビスライム生成。効果は、花嫁衣装からチビスライムを出すとかが出来る。操作可能。現在可能スライムの種類、清掃スライム、ソーダスライム。現在同時可能生成数、5匹。』


 へ?スライムを獣魔に出来たの?でも、僕の討伐対象って、スライムだけだよ。この後も、スライムを倒しても大丈夫なのだろうか?共食い改め、味方殺しにはならないのだろうか?試しに茂みから出てきたソーダスライムに向かって、僕の使役しているチビソーダスライムを戦わせてみた。


 ポヨン、ポヨンとぶつかり合うスライムたち。見ててほんわかするので、みんなで木陰に座って、木ノ実を食べながら、スライム同士の戦いを観察していた。


 ーーーーーーーーーーー5分後ーーーーーーーーーーー


 スライム→ポヨン、ポヨン


 僕たち→カジカジ、カジカジ


 ーーーーーーーーーーー10分後ーーーーーーーーーー


 スライム→ポヨン、ポヨン


 僕たち→カジカジ、カジカジ


 ーーーーーーーーーーー20分後ーーーーーーーーーー


 スライム→ポヨン、ポヨン


 僕たち→じー……じー


 ーーーーーーーーーーーーetcーーーーーーーーーーー


 あの後もスライム同士の戦いは続き、その戦いは日が暮れるまで続いたが、結局お互い無傷だったが、そのあと痺れを切らしたソニカが、相手のソーダスライムを、蹴り飛ばすのであった。その日僕たちは街に帰らないで、星空の下で眠りにつくのであった。


 良し!明日はソニカのスキル、マイナスについて検証しよう!いやぁー楽しみだなぁ。

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