第13羽 温泉プールと12番目の白獣?
あれから数週間がたち、もうすぐ冬がやってくる。秋風が少し肌寒さを感じているころ、僕たちはギルドの仕事を再開した。討伐依頼は、スライムしか受けないことにしている。どうしてか、それは僕でも倒せる魔物が、スライムしか居ないからだ。てか、イースターさんの威圧を解いても、レベルが高い魔物たちは、イースターさんの恐ろしさが、感じ取っているのか、遠くから視線を感じる程度の距離を、ずっと保ちながら観察している。この頃は、僕もスライム相手に、攻撃の練習をしている。
攻撃手段は、ダガーによる近接戦闘だ。イースターさんは、脚の先でちょんと触るだけで、スライムを爆散出来るが、僕はダガーで数十回攻撃を当てないと、倒すことが出来ない。スライムは弾力があり、攻撃が効いているのか、いつも分からない。
毎日20匹ずつ倒すのが、この頃の日課になっている。こんだけ倒せば、いつか僕だってイースターさんを、守れるくらいに強くなれるはず。そして僕は、今日もダガーを握る。
午後からは、近隣の村スタティ村への配達のクエストを受け、その村に向かっていた。村に近づくにつれ、硫黄のような香りが強くなって行く。
「イースターさん、もしかしたらお風呂があるかもよ。」
「きゅう〜♪」
あ、
ーーーーーーーーーーー50分後ーーーーーーーーーーー
スタティ村に無事到着した。到着したのだが、何故か村が温泉のプールになっていた。男女が布のような物を羽織り、きゃっきゃうふふの、なんともけしからん状態だった。
「あのぉーーギルドの者ですがぁ。こちらにスタティ・イズミさんいらっしゃいますか?」
「おう!あたいよ!!こっち、こっち!」
頭にちっちゃいイノシシの耳が生えた女の子が、元気に手を振っていた。何故か僕は、彼女に親近感がわいた。僕たちは、のそのそと歩いて向かって行く。
「よく来たな!あたいの名は、依頼書にも書いてあるけど、自己紹介するね。あたいは、この村の村長、スタティ・イズミ。そしてこのこが、ビック・イノシシのうり坊くんだよ、よろしくね。」
「フゴッ」
白くて大きいイノシシ?まさか、このこが12白獣の1匹?てか、うり坊ってそれ子供って意味じゃなかった?
「きゅ!」
「フゴッ!」
イースターさん久しぶりって、まさか本当に白獣の1匹なの?
「きゅう。」
そうだよって、まさかこんなに早く会えるとは…僕は、観察するようにうり坊さんを見つめ、そのあと茶 イノ娘さんの、ぴこぴこ動いているミミを観察したあと、彼女の後ろにまわって、尻尾があるか確認した。ぴこぴこと小さな尻尾があった。なんと、可愛らしいのだろう。
「あの、そんなに見つめられると…赤ちゃんが出来ちゃう。」
え?何を言ってるんだこのイノ娘は、僕にはイースターさんが居るのだから、あんたが入る隙間は、無いんだよ。
「きゅ♡」
「うりくん、あたいたちも負けてられないわ。」
「フゴッ!」
2組の異質な家族が、自分の嫁が1番。自分の夫が1番と、主張していた。それから、自分の嫁や夫の可愛いところや、良いところを言ってたら、意気投合し今は、一緒にお風呂に入っている。雑談をしていると、アナウンスが流れてくる。
『婚約魔法レベル4条件、妻と一緒にお風呂に入るを達成しました。条件達成報酬で、こちらをプレゼントを致します。』
ランドセルみたいに神々しく天空から、ちっちゃい眼鏡が落ちてきた。あのぼう魔法使いとか、教授とかが欠けていそうな眼鏡だった。試しにかけてみたが、何も起きない。なんだこれ、欠陥品か?
「なぁ、イノ
「うん、あたいもリオと同じく、婚約魔法を持ってるわ。」
「そうなんだぁ〜なら、レベルはなんぼなの?僕は4。」
「あたいも4だよ。」
やっぱり、イノ娘も同じでレベル4なんだ。それじゃあ、この不思議なアイテムも持ってるのかな?周りを見渡して見るが、近くには置いてない。何処かにしまってあるのだろうか?
「あ、そうそう、あたいの花嫁衣装は、この服の下に着てる水着だから。」
濡れて軽く透けている白いワンピースを、いきなしたくし上げた。僕は反応しきれず、少し見てしまった。それは、スクール水着だった。直ぐに視界が塞がれた。
「きゅ!」
見ちゃダメって、うんそうだよね。僕げ見たかったわけじゃないんだよ、だからさジリジリと力を入れて行くの、勘弁してもらえないかな。さっきから、超回復のストックが地道に減っていってるんだけど。
「フゴッ!!」
「うりくんどうしたの?いきなし、あたいのワンピースを引っ張って?」
ナイスうりくん!!これで無駄に超回復のスキルのストックを減らさずに済んだって、なんか頭がほわほわしてきたような?あれ?…みんなが2重に…僕の意識は、薄れていった。
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