第7羽 悪徳騎士?
朝、何かが殴られる音。そして子供たちの泣く声で、意識が覚醒した。勢いよく飛び上がると、イースターさんも起き上がる。そして急いで声のする方向に向かうと、そこでは昨日助けた聖女が、ぼろ雑巾のような姿になっていた。その犯人は、この国の騎士だった。
「はっ!俺たちに逆らうから、こんな目に会うんだぞ!」
「おい!」
「あぁん?」
「お姉ちゃん!」
「お、なかなかの上玉じゃねえか?きひっきひひ。」
気持ち悪い、気持ち悪い!こいつ僕が1番嫌いなタイプの人間だ。ってか、そのマリアに乗せてる、汚い足をどけろよ。
「きゅい(怒)」
『イースターさん、共に香月莉緒さんが、種族名
特別も気になるが、今この状況で1番欲しいもの回復系一択でしょ!イースターさんも、異論は無いみたいだね。それじゃあ頼みます、アナウンスさん!
『分かりました。それでは短時間であっさりと、行っちゃいましょう!!
「イースターさん!」
「きゅい!!」
イースターさんの瞳が、緑色に光スキル不惜身命が発動された。イースターさんの体に痛みが走るが、その代わり聖女さんの体の傷が無くなって行く。
「何だこれは?!」
男は今の異様な光景を目にし、屁っ放り腰で何処かへと走っていった。だがイースターさんは、男の後を全速力で追いかけていった。男がどうなったかは、言うまでも無い。
「お姉ちゃん!起きてよ!」
体の傷は治っているのに、目を覚まさない聖女さん。僕は心の中で、アナウンスさんに聖女さんの今の状態を聞いた。
『
よかったぁ〜これで一安心だね。丁度その頃、イースターさんも帰ってきたので、いったん木ノ実を食べて落ち着いた。そして聖女さんが、どうしてこんな目にあったのか?子供たちに尋ねてみることにした。
「3人とも、どうして聖女さんが、こんな目にあったのか、理由はわかる?」
「私わかるよぉー!」
元気に手を挙げたのはスィだった。
「うんとね、確かあの怖い人ね。ここから出ていけとか、
キメラ?誰のことだ、魔物だとあの混ざった生き物のことを言うよね。みんなの名前にそんなの入って無いし…あ、そっか。僕のことだ多分。
「うぁ?」
ん?どうやら聖女さんが、目を覚ましたみたいだ。意識もはっきりしているようだし、大事なくて良かった。
「きゅう〜♪」
「お帰り?!って、血だらけじゃん。ちょっとまってね、今生活魔法で綺麗にするから、
なんだこれ、一等騎士アクト。さっきのやつの、身分証のような物か。まぁ、一応ランドセルに閉まっておこう。
「きゅう♡」
この魔法は、去年の夏に泥まみれになったイースターさんを、綺麗にしたいと思ったら、なんか出来るようになった魔法である。アナウンスさんいわく、生活魔法は生活に必要だと思う力を、魔力を消費することで行使することが出来るらしい。ちなみに今のは、生活の中のお風呂の役割らしい。
街に来て1番ショックだったことは、銭湯どころかお風呂に入るという習慣が、この世界には無いらしい。日本人の僕は、昔からお風呂が好きだったので、汗だくのまま寝るなんて、最悪だと思ってる。いつか絶対に温泉を見つけて、広めてやる!
「きゅう?」
あぁ、イースターさんは知らないよね。こう大っきな温かい池みたいなんだけど…説明しても分からないよね?
「きゅ〜……きゅう!」
え!?昔見たことあるって?何処でって言っても、昔のことだし分からないよね。ふと思ったんだけど、イースターさんって何歳なんだろう?(⌒-⌒; )何その手は?
「ぎゃふん!!」
「お姉ちゃん!」
「大丈夫?」
「うん大丈夫。イースターさん、怒るとき少し手加減はしてくれてるから、そうじゃなかったら、今頃僕の体は、全ての骨を粉砕されてるから。」
あ、やべ。子供たちがイースターさんに対して怯えちゃった。どうしよう、どうしよう?イースターさんが、子供たちに怯えられて悲しい表情をして、下に転がってるいい感じの大きさの石、いや岩を転がしていた。
「こら!3人とも、確かにイースターさんは強いかもしれないけど、それでも私たちを助けてくれたんですよ。謝りなさい!」
3人はごめんなさいと謝ると、イースターさんもきゅいー!!と言いながら、頬ずりをしていた。仲直りできて良かったね、イースターさん。
「きゅい♡」
僕にも、もう可愛いんだから。さぁーて、午後はギルドに行ってこようかな。
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