第8羽 初めての依頼?
昼過ぎ、僕たちはお金を稼ぐために、ギルドに来ていた。
「こんにちはぁ〜」
「きゅい!」
「「はぁ」」
みんな僕たちを見るなり、ため息つくとか失礼じゃない!何、なんかした僕たち?
「やぁやぁ!待っていたよ、今日も筋肉鍛えているかい?【ムキっ】」
あってそうそうに言うことがそれか!筋肉は鍛えてないよ!
「どけなさい!昨日は、よ…良い一日でしたね。おほほほほほほ、それじゃああたしはこれで、後は任せたわよギルド長!」
あ、イースターさんを見た瞬間に、身を引いたなこいつ。でも、ちゃんと仕事をしないのは頂けないな。
「待って。」
「何かしら?」
「仕事ちゃんとしないと、イースターさん。」
【キラリン☆】
イースターさんの赤い目が光る。S嬢さんは、蛇に睨まれたカエルのように固まった。
「はひ。」
震えてる、震えてる。いゃあ〜Sっけの女の子って、逆に虐められると大人しくなったりするよね。
「仕方ないから!あたしが初心者向けのクエストを、見積もってあげるわ。先ずはこれね、スライムの討伐。そして配達の手伝いよ。最初のクエストのときは、A級以上の冒険者の方と一緒に受けて頂く決まりになっています。今この街に滞在しているA級冒険者は、ギルマスと、昨日会ったあのロリババァの2人です。」
なんだろうこのギャップ。仕事はちゃんとやるんだな、この人。マッスルさんは、いつまで玄関でポーズを取っているのだろうか?あ、噂をすればリロリさんがやって来たみたいだ。
「マッスル署長、いつまでポーズをしておるのじゃ?」
「おう!リロか、ちょうどよかった。あいつらの保護者として、クエストに参加して来てくれないか?」
「あやつらのか、仕方ないのぉーほら行くぞ、2人とも。」
気が早いひとだな。
「イースターさん行こっか。」
「きゅい。」
僕たちは昨日通った門の反対側の門から外に出ていた。門を出てから、早1時間。未だに目的のスライムに、1匹も会っていなかった。
「おかしぃのお〜何時もなら、直ぐに見つかるのじゃがなぁ〜」
…何か忘れているような?……あっ!イースターさんのスキルに威圧って確かあったよな。もしかしなくても、それが原因だな。
「イースターさん、イースターさん。」
「きゅ?」
「威圧って解除出来る?」
イースターさんの周りに薄くあった、魔力のオーラのようなものが弾け飛んだ。すると直ぐに、ソーダスライムが現れた。
「あれが目的のスライムじゃ。」
イースターさんは、たったの一振りでスライムを爆散させた。スライムを倒すと、経験値がちょっと手に入った。スライムの核を回収し先に進むと、スライムが現れたので、イースターさんが歩く要領で、爆散させて行く。クエストのクリアには、スライムの核10個。
ーーーーーーーーーー更に20分後ーーーーーーーーー
「これでスライムの核10個じゃな。ほんとおかしいのぉ、こんだけ奥に行けば、中級の魔物くらい会いそうなのにのぉ?」
「このクエストのクリア条件は、達成してるんだから、良いんじゃないですか?」
「そうじゃのおー、それじゃあこのままの勢いで、配達クエストもやるのじゃ。」
「はーい。イースターさん帰るよ。」
「きゅ〜♪」
僕たちは来た道を帰って行った。街に着くと、まずは一旦ギルドに戻り、クエスト達成報告をし、配達物と地図を貰った。そうそう、クエストを達成すると、ギルドカードに魔判子が押されるんだ。報酬は手渡しだったよ。報酬額は銅貨5枚だった。計算すると、スライムの核が2個で、銅貨1枚計算だね。
これがこの世界でのお金だよ。
日本円→異世界
10円玉→銅貨
100円玉→銀貨
500円玉→なし
1000円札→金貨
1万円札→白金貨
こんなかんじだよ。1円玉と、500円玉が無いみたいだね。
話しを戻すけど、配達クエストをこなすためには、先ずその家まで物を配達する。次にその家の人にこの配達完了用紙、訳して配紙に、判子または指印を押してもらえば、完了らしい。日本の郵便とあまり、変わらないね。
「イースターさん、次の角を右。曲がったあと、その突き当たりを左に曲がったところの、赤い屋根の家が目的地だよ。」
「きゅう〜」
僕たちは早速その家に向かった。配達物は、割れ物注意と記載されていたので、ランドセルに入れてある。僕たちはとぼとぼと、街の中を歩いている。
「リロリさんは、スキルを何個お持ちなのでしょうか?」
「ん?儂は産まれたときから、2つしか持っておらんぞ。」
「そうなんですか。スキルってどうやって取得出来るのですか?」
「そうじゃのう、お主は世間知らずじゃからな、配達先に行くまで、話してやろう。」
おぉそれはありがたい。イースターさんも、この世界についての情報を全然知らないから、本当にありがたい。
「先ずスキルとは、産まれたときに2つ貰える。そしてスキルにはレベルがあり、最大で10まで上がるのじゃ。2つのスキルのレベルを10に出来るのは、この世界に一握りしかいないのじゃ。そして3つ目のスキルを獲得出来る者の条件は、最低限レベルが200なければならない、そのほかにも個人個人で条件を達成していなければならないのじゃ。」
なるほど…そう思うと、スキルを何個も持っているイースターさんって……そりゃあ気絶するよね。
「人種に限るが、産まれ持ってもつスキルのどちらかは、〜〜魔法になる。儂なら、防御魔法じゃな。ギルマスが強化魔法、あのバカは隷属魔法じゃ。」
そして僕が婚約魔法か、この魔法も十人十色ってことなのだろう。性格は少しだけ、魔法に惹かれているように感じる。だが、あのS嬢さんが、隷属魔法か…使い方しだいでは、最強なのでは?やはり、あいつには要注意だな。
「スキルは話したじゃろう、なら次はmpの説明じゃな。マジックポイント、訳してmpじゃ。これは、鑑定スキルが無いと見ることは出来ないが、自身のmpなら感覚で、だいたいが分かるじゃろう。」
確かにこっちの世界にきてから、生活魔法を使うたびに、何かが減って行くような感覚に襲われる。
「魔法を使うにも、スキルを使うにもmpを消費する。使いすぎると…」
なんだよ勿体ぶらないで言えよぉー、まぁ、だいたいの予想はつくけど。
「死ぬのじゃ。」
だよねぇー、思ってた通りだ。
「まぁ先ず死ぬことはないじゃろうて、普通に自分らにあったレベルのクエストに行き、ちゃんとポーションで回復すれば、大丈夫じゃよ。」
なんか今、変なフラグ立たなかった?きっと気のせいだよね……
「まだまだ、話したいこはたくさんあるのじゃが、どうやらその家に着いたようじゃ。」
そこは一等騎士の紋章が掲げてあった。
一等騎士の紋章とは、剣が円の中で斜めに設置されているような形の紋章。国の騎士の称号らしい。
リロリがドアを叩くが、中からは誰も出てこなかった。僕は依頼主の名前を確認した。
依頼主 アクト
中身 卵
アクト?どっかで、聞いたような……あ、やべ。あの朝のやつだ。あいつって確かイースターさんが殺しちゃったような…??リロリさんどうしたの?空になんかあるの?…?!
空が真っ赤になっていた。その中心にいたのは、あのアクトだった。
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