第6羽 孤児院?
ギルドから美味しそうな匂いのするほうに、右へ左へと歩いていってから、早1時間。僕たちには、問題が沢山あった、先ずお金がない。日本円は少し持ってたけど、こっちのお金を持っていなかった。そしてイースターさんと、一緒に入れるお店が何処にも無かった。僕らは廃墟だらけの、道端で途方に暮れていた。
「はぁ〜イースターさん、どうしようか?ご飯はあれがあるけど、泊まる場所がなぁ〜」
「きゅ?」
「イースターさんどうしたの?そこ廃墟だから。誰も居ないよ?」
イースターさんが、廃墟のほうにピンと耳を立ていた。イースターさんがいきなり走り出したので、僕は慌てて追いかけた。
「はぁ、はぁイースターさんどうしたの?!」
イースターさんを追いかけて行った先には、痩せ細った子供たち(3人)と、その子たちを自分の膝に乗せている女性がいた。
「大丈夫ですか?」
「何か水分は無いでしょうか!!この子たち、もう1週間も水を飲んでいないのです!」
僕の手を握ってきた女性の手は、カサカサでおばあちゃんのようだった。弱々しく、少しでも力を入れたら折れてしまいそうな程に…
僕は生活魔法で、近くにあった4つのコップに水を入れると、子供たちは獣のように水を飲んだ。女性は泣きながら、ゆっくりと噛み締めるように飲んだ。
「きゅう。」
イースターさんも心配そうに子供たちを見ていた。イースターさんの腕を掴んで、ぎゅっと握った。僕はランドセルを降ろして、中からあの木ノ実を1つ取り出して、四当分にして1つずつあげた。1個丸ごとだと、胃がびっくりしちゃうかなと思ったから。
「食べて」
初めて見る果物に戸惑っていた子供たち、そんな子供たちを見かねたのか、お姉さんが手を震わせながら、恐る恐るその木ノ実を1つ手にとって、目を瞑りながら頬張った。
「お、美味しい。」
「そりゃあ良かった。ほら子供たちも、食べて食べて。」
子供たちは頷いてから、木ノ実を口に頬張った。頬っぺたを抑えながら、う〜ん♡と反応していた。それから直ぐに、子供たちとお姉さんの肌に潤いが戻って行く。
「きゅうー」
イースターさんも子供たちが元気になって安心したのかな?耳がペタッとして、地べたに座り眠り始めた。今日は疲れたのだろう、僕も疲れたし一回寝てから考えようかな。
「あのぉー」
「んぁ?何?」
「あ、すみません。寝ていらしたんですね。」
「ふぁ〜気にしなくていいよぉ〜あ、そうそう僕はリオ、このウサギさんは、僕のお嫁さんのイースターさんです。宜しくね。」
「きゅい〜z Z」
「あ、はい。私は、マリア。この孤児院を切りもりしている者です。宜しくお願い致します。…」
マリアと言えば、あだ名はあれしか無いよね。
「お姉ちゃん、俺はねレッド!助けてくれてありがとう!」
直ぐにお礼を言えるのは良いことだ。
「おねぇー、私はスィーだよ!木ノ実ありがと。」
この娘も良い子だぁ〜
「おねぇ、あたしはミクです。お水ありがとうごっほ、ごっほ…」
最後の娘は、何処か悪いのだろうか?1人だけまだ顔色も悪いし、聖女さんに聞いてみようかな。
「ねぇ聖女さん、ミクちゃんは何処か悪いのですか?」
「はい。ミクはここに来たときから、体が弱くて最初の時は、この孤児院にもお金を寄付してくれるおじいちゃんや、おばあちゃんがいたのですが、みんな死んでしまって、この孤児院に寄付して下さる人が、だんだん減っていって、今ではこのありさまでございます。」
もう途中から聞くに聞いてられないので、僕もお金が無いので、薬も買うことが出来ない、だけど直してあげたい。僕げ持っているのは、この木ノ実と森を抜ける間に、イースターさんが反応した草しか持ってないしな…あの草の中にもしかしたら…
「聖女さんって、どの薬草が使えるかとかわかる人?」
「はい、専門の方までとは言いませんが、だいたい分かります。」
「うん、それじゃあ、この中からその子に効く薬草とかあれば、使って下さい。」
僕はランドセルの中から、何十種類もの薬草?を取り出し、聖女さんに渡した。
「凄い量ですね……何十種類か分かりませんが、これとこれですね。」
聖女さんが手にとったのは、赤い麦のような薬草と、ほうれん草のような薬草を手に取った。
「どんや効果があるの?」
「赤いのが熱冷ましによく使われる、冷熱草。こっちの緑色の薬草は、成長剤によく使われる、成長草。これを煎じて飲めば、多分大丈夫だと思います。」
「なら飲ませてあげて下さい。これに水入れて置くので、じゃあ何かあったら起こして下さい。」
僕は直ぐに眠りについた。子供たちもお腹いっぱいになったのか、直ぐに眠ったようだった。
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