第3羽 花嫁衣装?

 僕とイースターさんが初めて出会って日から、ちょうど1年が経過していた頃。僕はある決心を決めた。


「イースターさん、僕と世界を見に行きませんか!」


「きゅう?」


 何故僕がこの決心を決めたかと言うと、この1年間あの木ノ実しか食べていないのだ。それはどうしてか、まず魔物や生物が近くに寄ってこないこと。いや、そんな甘いものではない、この1年間一度も、イースターさん以外の生物を見たことすらないのである。


「イースターさん、いえイースター。婚約から丁度1年の今日、この森から出て新婚旅行に行きませんか?」


「きゅう。」


 いいよって、流石イースターさんだ。


「イ、イースターしゃん。婚約1年記念にキ、キ、キキスしませんか?」


 やべぇ!めっちゃ噛みまくってるよ僕!超ーー恥ずかしいんだけど…穴があったら入りたいよ。


「キュ♡」


 えっ?!僕からしてって、マジですか??ええいママよ!!


「それでは生かしていただきます。」


 2人がキスを交わしたとき、兎証の指輪が光り出し、アナウンスが聞こえてきた。


『香月莉緒(オス)の婚約魔法第2段階、お嫁さんとの初めてのキスを確認しました。これより香月莉緒(オス)の存在進化を開始するとともに、こちらを譲渡させていただきます。』


 何事ぉーー!?なんか、尾骶骨の辺りが盛り上がって来ているような?そしてなんだ頭から何か生えてるような感触が?あれ耳が無い……かわりに何か頭上で、ぴょこぴょこしてるような?こ、これは!!?ケモ、ケモミミが付いてるだ…と…。


「きゅい?きゅい、きゅい♡」


「わぁー!?どうしたの行きなし持ち上げて?」


「きゅきゅい!」


「何々?僕が同族になっとたから、嬉しいって?…何か照れるなぁ〜?」


 あ、あれは?!


 雲の分け目から光りが僕たちを照らし、その光りの中から赤いランドセルが浮遊してきた。


 何故空からランドセルが…ショレばいいのか?うんしょっと、まさかこの歳でランドセルをもう一度ショルことになるとは、思いもしなかった。


 ………ん?何も起きないな?、何かイースターさん大きくなった?……もしかして、僕が縮んだ?まさかなぁ〜、アナウンスさん!!もしよろしければ、身鏡を下さらないでしょうか?


『……いいでしょう。お嫁さんには、身だしなみも大切でから。今回だけですよ。…鏡よ、鏡さんと言ったら出現します。』


 以外に話しが通じるみたいで、少しびっくりしました。さて気を取り直して、言ってみよう!


「鏡よ、鏡さん。僕の姿を映し出して下さい。」


 少しだけ恥ずかしいというか、これって悪女の魔女さんとかが言ってそうだよね。


「きゅ…きゅい!?」


 本当に出たよ。…あのぉイースターさん、気になるのは分かるんだけど、ちょっといいかな避けてもらって、ふわふわ、ふわふわ…は!?イースターさんの毛並みにまた、我を忘れてしまった。危ない、危ない。まぁ僕にイースターを避けれるほど、力も無いしステータスでも、確認しながら待つとするかな。


「それじゃあ、ステータスオープン…ふぁ?!」


 ネーム 香月莉緒

 レベル 27

 職業 サモナー

 婚約者 イースター

 称号 人ヲ辞メタ者


 スキル 生活魔法レベル2

 小さな火が起こせたり、少ないけど水が出せる。


 スキル 婚約魔法レベル3

 魔物と婚約を結ぶことにより、婚約した相手の感情がわかる。まれに特殊な装備が生まれたりする。


 スキル 超回復 ストック366

 効果不明、取得方法不明


 装備 『学生服(女用)』

 効果 見た目が女の子のようになる、防御力は+1


 装備『花嫁衣装(赤いランドセル)』

 効果 破壊不可能。収納・極、容量無制限に物をしまうことが出来る。生きている生き物は、不可能。所有者以外がそのランドセルを持つと、警報と同時にその半径10メートル以内の空間の、重力を1万倍にする。生物は、死なないが体が動けなくなる。


 アクセサリー『兎証ウサギジルシの婚約指輪』

 効果 森の王者イースターとの婚約を結んだ証。攻撃力げ下がる代わりに、防御力が格段に上がる。


 何かスゲェチート装備を手に入れしまったらしい、まぁいいか便利アイテムだし、有意義に使わせてもらおっと。お!ちょうど、イースターさんも鏡への興味がなくなったみたいだし、さてさて僕の姿はどうなったのかな?


「これが僕の見た目なのか?…どこからどう見ても、女の子じゃないか!だから、装備も花婿じゃなくて、花嫁衣装だったのか!…何らかの悪意を感じるんだが、そこんところどう思いますか?イースターさん。」


「きゅ〜きゅい♡」


「可愛い僕も大好きだよって、照れるなぁ〜それじゃあ、アナウンスさんは、どう思いますか?そこんとこ。」


『……似合ってるからいいじゃないですか。ふっw』


「おいアナウンスさん!今鼻で笑ったよね!最初から変だとは思ってたけど、やっぱり感情あるよね!!」


『……』


 無視ですか。良いですよぉ〜だ、僕にはイースターさんが居るんだからね!もうイースターさんを思いっきりぎゅーしちゃうんだから、アナウンスさんなんて構ってあげないんですからね!


「きゅ?きゅ♡」


「イースターさん愛してる♡…ぎゃふん!?」


 何で頭にタライが降ってくるんだよ。ヤキモチか?ヤキモチを焼いているのか?今日1日は、アナウンスさんを無視するって、さっき決めたからね!どんとこいだよ!


「ぎゃふん!?」


 またタライが降って来たよ、こんちくしょう!こうなったら、イースターさんに埋もれてやるぅ!もっふもふ、もっふもふ。やっぱりイースターさんの、お腹の毛並みは最高だぁ!!


 僕は次の日の朝、出発するために荷造りを済ませ。眠りにつくのであった。

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