第2話 男爵令嬢アリア

 このまま行けば、私は王妃。なかったことをあったかのように言って思った通りになる何で、やっぱりヒロインね。将来のことを吹いたら、みんなも協力してくれたし、ゲームと一緒だったから楽勝だったわ。

 まだかしら、公爵令嬢と婚約破棄と宣言してくれるのは…


3

あれ?

これ、私の後ろよね?

ルクサがいるところだと思うけれど、私はどうしたのかしら?

「王太子でなければ、謀殺したのにいまいましい」

ルクサ?

「それに対して、アリアはいつも綺麗で可愛いらしい。その笑顔をいつも通り私だけに向けて欲しい。私も、君が言う通り、いつも格好良くありたいから」

あら、これはルクサの心の声なのね。

そうそう、ルクサにも言っていたわ。

アーサーと同じ事。

でもごめんなさいね。

宰相妻よりも王妃の方がなにもかも上なの…


4

だから、ルクサには…

あら?視点が

「せっかくの卒業式なのに、思い出を台無しにするつもりかしら」

誰かしら?

壇上に私たちがいるということは、他の学園生かな

「真実の愛に目覚めた王太子の婚約者になるから、将来は王妃。その時は、高い身分を約束するからなんて、空手形もいいところ。平民主席を奪ったからって言っても、平民には変わりはないし。でも、アリアの言う通りの証言をしたら、王太子が本当に信じるとは思わなかった。どこまで、頭が悪いの」

ああ、あの交換条件を言った無礼な平民か。

平民主席にするのは、簡単よ。点数配分を変えるだけだもの。

そうよ、空手形に気がついたのは褒めてあげましょう。

王太子がバカなのは、当然なのよ。

だって、ゲームの通…


5

「兄が婚約破棄をすれば、ローザと婚約できる」

り…?

誰?

兄?

ああ、第二王子ね。

「昔から、憧れていたし、彼女と釣り合いが取れるように何にでも頑張ってきたんだ」

そっかぁ~。ローザの事が好きだったの~。

残念ね。

私とアーサーの幸せのために、ローザがいると邪魔だわ。

ゲームと同じとおり、処刑させてもらうわ。


6

「バカが。何をしておる」

あら?

「まさか、あの不埒な者の言を真に受けて、よからぬことを考えていまいな。ローザの言っていたことは真であったな」

これは、お義父さまね。

ばれていたとは思わなかったわね。

王さまから早く退場してもらわないと、私が危ないわね。

アーサーに動いてもらわないと…


7

「全く。こんなに愚かだとは思いませんでした。あらかじめ、王さまと父に婚約破棄を申し出でて、了承。婚約を白紙にしておいて、よかったですわ」

ローザ?

なんだ、もう婚約破棄していたのって、そうするとこの断罪劇ってどうなるの?



はっ

気がつくと、自分の身体に心が戻ってきた感覚があった。

さっきのことは、なんだったの?

そ、それよりもどうなるの?


アーサーが叫んでいる

「…真実の愛に目覚めた私は、公爵令嬢ローザとの婚約を破棄し、ここにいる男爵令嬢アリアとの婚約を…」


ちょっと、なぜそこで止まるの。

まさか、アーサーも…


「ここにいる男爵令嬢アリアと宰相令息ルクサとの婚約を認める!」


「「…はぁあああ?」」


思わず声が出てしまったわ。


アーサー、逃げたわね。

どうしようかしら、こんなことゲームにはなかったわよ。

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