月と闇

修行中故名無し

月夜

夜道を月が照らす。

空を見上げるとそこには、丸く、はっきりと存在を魅せる月光。

僕は、縁石に腰掛け、空を見上げながらタバコに火をつけた。


煙を月に向けて、吐き出す。


同時に、月光が柔らぐ。

月光は様々な、姿を魅せてくれる。

だから僕は、月光が好きなのだ。


虚空に浮かぶ姿、星と戯れる姿、雲に支配され霞む姿。


どれも美しく、そして、儚い。


朝になればその存在は、別の存在によって埋もれ、次いつ姿を魅せてくれるかは、誰にもわからない。

だからこそ、僕はこの月光に会い、全てを晒け出せるこの時間を大切にしている。


ネオンと月光。


対極にあるとも言える2人。

片方を求めると、もう片方には会うことは許されない。

僕は、心の底から月光を求めている。


気付くとタバコをほとんど吸い終えており、月光に別れを告げなければならない。

また会えることを祈り、立ち上がる。


月光に包まれながら、ネオンに向かう。

気持ちと表情に仮面を被りながら。

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月と闇 修行中故名無し @uukk9612

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