序体 Rapuanleta ~ ラプァンレタ ~4

ソレは廃れたグラムヴィル製産場の、壊れ、細々とした部品が集まる山に突き刺さっている一本の配管に落ちると、集まり、一つの液になる。


そして筒状になっている配管の側面を下ると、その下にある製産途中で廃棄された一体のグラムヴィルの上に落ちた。


まだ塗装どころか、人工皮膚の肉付けもされていない骨組みだけのグラムヴィルに、ソレは落ちたのだ…。



──………真っ白…、ココは、何処…?


気付いたらこの場に居た。

ただ、それだけ。


この真っ白な世界で、何処までも続く白を見渡しても、何も無い。

そしてその少年は、己の手足を見ようとした。

だが手足はおろか、その少年は身体すら無かった。

あるのは、ただ、意識だけ。

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