序体 Rapuanleta ~ ラプァンレタ ~3




大地ノ塔シグ・セリア》の国に愉快な音が踊るようにして鳴ると、人々は降り注ぐ雨に両手を広げ、自然の恵みに心から感謝の想いを表した。


この国の美しき女神セースェ──エントゥッリェーニに感謝の心を、心の底から表した。



雨音に混じり、愉快な音と楽し気な歌声が大地から舞い立つようにして踊った。

そしてソレは、大通りの横にある、廃れたグラムヴィル製産場にも聴こえていた。



空に止めどなく広がる雨雲の一部が、まるで雷を蓄えたように光った。

一瞬の光は誰が見ても、雷を生み出したようにしか見えなかっただろう。


その雨雲から、光る雨が数滴、落ちる。


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