第18話

僕の卒業した小学校は自宅から5分のところにある。ゆっくり散歩しながらいくことにした。


そういえば学校帰りにここの家の柿をとろうとして木に登って落ちたことあったな。


足をくじいてしばらく松葉杖ついていたことを思い出した。


学校につくと校庭には誰もいなかった。

すると2階の窓から彩乃が僕に向かって手を振った。


あそこか。階段あがるのだるいな。ワープするか。


びゅーん!


音楽室だった。


部屋に入ると小学校生がショパンの幻想即興曲を奏でていた。


かなりうまい。というか天才少年?


顔を見ると、あっ昨日のステーキ屋にいた小学生だ。


サムリーが僕に向かって

「新たな仲間だ。名前は星治だ。彼は前世にいた星の記憶がある。また絶対音感もピカイチだから一度聞いた音ははずさずピアノでひける。写真記憶も天才的で一度にたくさんの情報を記憶できる。ちなみに君たちの会話も昨日理解したらしい。読唇術で、くちびるの動きで話す内容がわかったそうだよ。今日から時々一緒に参加してもらう。


まずは、星治から宇宙情報聞いておいてくれ。では!」


サムリーはそう言い残して消えた!

またとんでもないやつが加わったな。


テレビなんかで天才がでたりしてるが、本当にいるんだな。僕の親戚にはいなかったな。


「僕は昴だ。親がつけた名前だからけっこう気に入っていたが、君も星が名前につけられてるんだな。」


「はい。僕もこの名前気に入っています。」


「君は頭がいいんだね。」と武瑠がいうと


「頭だけではないですよ。顔もいいし、性格もいいですよ。」と返してきた。


「羨ましいわ。私もあんなにピアノ弾いてみたいわ。ピアノ習わせてもらったけど、バイエルの途中で挫折よ。」


「ピアノが合わなかっただけですよ。彩乃さんはパーカッションがあってますよ。昴さんはギター弾けるんですよね。」


「まあな。少しはね!なんで知ってるの?」


「高校の文化祭にいったことあります。そこで野外の舞台でバンド組んで弾いてるのみたことあります。」


「ほーさすがにあれだけの人数がいた高校生の中の昴をよく覚えていたな。」


「武瑠さんですよね。武瑠さんは二子玉川の駅で見かけました。」


「へっ?なんで知ってるの?」


「おしゃれなお兄さんだなとホームで立っていた姿が印象的で。母親が百貨店に買い物にいった時についていってたんで。」


「おー最近二子玉川にいったよ。川のそばでモデルの撮影のバイトあったからな。」


「えっ武瑠さんモデルしてるんですか?」と彩乃が憧れの眼差し向けた。


「まあね。暇つぶしさ。ところで星治君は他の星に住んでいたことがあるの?」


「はい。あります。小さい時から母親にいろいろ変な話しをしていたと言われましたが、最近では家族も信じていてくれます。


僕もその記憶がいつまで覚えていれるかわかりませんから、質問された時にはすべて録音させていただいています。」


「そうか。そしたらじっくり話しを聞かせてもらおうかな。」


教室の椅子に僕達は座り、星治を先生のように黒板の前にたたせて、宇宙の講義がはじまった。

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