第17話

最近母親はあまりうるさく言わなくなっていた。なにしろ映画館でバイトしてると言えば、シフトだからと朝でも夜でも出ていくのに言い訳できてたし、お小遣いカンパしてくれなんてことも言わないようにしていた。



僕達の活動はボランティアみたいなもんで、収入はなかったが、実は僕には親戚が近くにたくさんいて正月のお年玉は毎年かなりの金額が集まっていた。


母親はそれはあなたがいただいたものだからとその度に貯金してくれていて、二十歳になった時に自分で管理しなさいと渡してくれていた。



友達なんかは親に使われてしまったとか言ってるやつも多い中、僕は母親には感謝していた。


今日は日曜日で一日のんびりしてやるぞー。母親の作ったフレンチトーストとコーヒー飲みながら、テレビを見ていた。


まだ誰からも連絡ないな。よしよし今日はこのままなにごともなく過ごさせてくれ。



とチャンネルカチャカチャしてるとニュースの中のアナウンサーが未確認飛行物体というワードを使った。


メキシコやアメリカなどではたびたびとりあげられるUFOの話題。日本では何故かまるで夢物語のようにとりあつかわれ、ニュースになんかでることはない。


それが、今日はNASAが未確認飛行物体を確認したという、短い時間にそう一分位にまとめて言ったのを聞きのがさなかった。


いかにもはじめて確認されたみたいな内容だったが、多分日本の旅客機の機長も副操縦士も国民の混乱を避けるためにも発言を禁じられているんだろう。


他にも僕達の知らされていないことはやまほどあるばずだ。


他国からの攻撃、あるいは宇宙からの攻撃に備えてあらゆるところに不思議な建物や無駄な空間がある。


これはあくまで、僕の直感だが、国の最高責任者や主要な機関の幹部などのシェルターに違いないとふんでいる。


その建物は地域のコミニティーセンターだったり会員制のジムやプールの施設は表向きにすぎない。


もともと人の話しをよく聞いて観察力を持つてキョロキョロ町を歩くとそれらしい場所はよくある。


もちろん一般市民も収容できる場所も想像できるが、日本人全員は無理だろうな。


僕もそんな緊急事態になってもそんな所に入れる資格もないだろうし、はいりたくもないな。


なんていつもの妄想を膨らませていた。


そこにサムリーから連絡がきた。


「昨日はお疲れさま。無事に犯人確保できたよ。もと従業員の逆恨みが動機だな。


格差社会が生んだ歪だが、かなりの低賃金だったようであの会社にも指導と改善命令がでた。


ところで紹介したい人がいるから君の出身校の小学校にでてきてくれ。他の二人も呼んでいる。」


「えー日曜日だから休みじゃないの?働き方改革お願いしまーす。」


「つべこべいわずに早くきなさい。」とだけいってサムリーかの交信は終わった。


仕方ないなー。


もうー。


部屋で、ゴロゴロするつもりだったのに!


しかし誰かを紹介するっていってたな。


今は1対2で男二人だからバランス取るために次は女の子かも。



ならおめかししていかなきゃな。髪も溶かして!


ワクワクしてきたぞ。

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