第13話

「私のお母さんはファッション雑誌スカイの編集長なんです。」


「えーあのスカイの?凄いな。」


「ええ。でも雑誌の編集長って売上をあげると称賛されるらしいんですが、ちょっとでも数字が下がると針のむしろだって言っています。


たがら私と一緒にいる時間もなく、仕事づけの生活です。締め切り間近は徹夜してますし。」


「そうなんだ。頑張ってるんだな。女の人がバリバリ仕事すると家庭との両立は大変だな。」


「そう。仕事の話しを父にもよく話しているから、大変さはよくわかってる。でもやっぱり寂しい気持ちはあります。それに私がこんな変な能力あって、でもそんなこと話せなくて。


心配かけたくもないし。


だから、今は嬉しい。サムリーや昴と会えて。

地球を救う為にこの力を使えるなら私の力を精一杯使うつもり。」


「なるほどな。僕なんかの下世話な妄想とはえらい違いだわ。


彩乃えらいな。僕ももっとしっかり考えなくてはな。」


「そんなことないですよ。昴は考えすぎなのかも。人生なんてもっと簡単なのかもしれないし。


「考えるより、感じろってことか。彩乃と話してるともやもやが吹き飛ぶな!よーし、明日から僕ももっとパワーアップ頑張るぞ。」



といった瞬間に彩乃が僕の手を取りまた光の渦にはいって3秒で東京の僕の家の前についた。


「また明日ね」と彩乃は手を振るともう消えていた。


「ふー。」母さんには今日はなにしてたっていう作り話しをしなくてはならないのがめんどうだ。


友達と映画みてたことにするか。まさに映画の世界だからな。


いっそ、映画館でバイトしてるってでもいっとくかな。そうだ、そうしよう。


「ただいまー。腹減ったー。今日のご飯なに?」


思いっきり作り笑顔で玄関を開けた。

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