第12話

せっかくなんで町をぶらぶら歩いた。整った顔立ちの彩乃と歩いてるとどう見ても普通のカップルのデートだよな。


にぎやかな通りはファッションセンスのいい子達がアクセサリーや服を楽しそうに選んでいる。


タピオカの店の前には行列ができていて2時間待ちらしい。


平和そのものの日本で、今日の爆弾騒ぎも、昨日の未遂も、ニュースには出ない。


この今自分が見ている平和な世界はバーチャルなのか?


それとも僕達がバーチャルの世界で戦っているのか?


サムリーがいっていた仲間達はこの雑踏の中にいるんだろうか?


ぼんやりあれこれおもいめぐらせていたところに


「昴さん、ここはいりませんか?」

彩乃が指さした店は女の子が好きそうなスイーツの店だった。


「いいよ。」


中に入るとさすがに女性客が多かった。


彩乃はバナナチョコパフェを頼んだ。僕はケーキとコーヒーを頼んだ!


「君もいきなりサムリーから誘われて驚いただろう?」


「そうですね。でも小さい時から、なんか人と違うとこあるなーと思ってたし、ひとりで、あちこち行けてたけど、そんなことができるなんて人には相談できないし、今はサムリーさんから私が生きてる意味を知らされので、今は寂しくないです。昴さんとも知り合えたし。」


と頬をあからめた。


「そうだな。生きてる意味かー。


パフェきたぞ。食べよう。」


とにかく自分の使命ならもっと覚醒していかなきゃな。


「彩乃、僕にもその瞬間移動教えて!

明日っから真面目に取り組んでみるよ。」


「ラジャー!昴さん。」


「さんはいいよ。昴で。」


「あっはい。昴。」

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