第11話

競技場をみると3万人近い人が溢れかえり、歓声をあげていた。


ここからどうやって起爆装置を見つけるんだ?


自分だって死ぬかもしれないのに!

恐怖で足がすくむ!


でもなんとかしなくてはならない。


どうすりゃいいんだよ。


彩乃も僕と同じこと考えていた。


そりゃそうだよな。まだ高校生だよ。人生これからじゃないかよ。


すると、東側ゲートにいたサムリーが


テレパシー送ってきた。


「集中しろ。目を閉じて、一点に絞りこむんだ。

闇の心と同化してそこを見つけ出すんだ。」


「仕方ない。サムリーやってみるよ。」


僕は目を閉じた。


すると不思議なことに歓声が遠くに聞こえるようになり、なにか冷酷な思いを一瞬感じた。


「彩乃、サムリー。あの旗の下だ!」


といったその瞬間にとなりにいた彩乃が僕のそばから消えてその旗の下にいた。

かと思えば、その場から消えた。


なにが起こったんだ。


「サムリー。大丈夫か?どうなったんだ。?」


サムリーが


「犯人確保。爆弾は彩乃が海底に投下。彩乃は無事だ。お手柄だ二人とも。


今日は帰っていいぞ。」


「なにいってんだよ。ここ博多だよな。飛行機のチケットないんだからどうにかしてくれよ。」



「悪い。そうだったな。彩乃を呼び戻すから、一緒に帰ってくれ。」



やれやれ。まあみんな無事でなによりだけど。


と思ったとたん彩乃が横にたっていた。


「お〜無事だったか。すげーな。このスタジアム見てみろよ。みんな楽しそうに家族や友達とサッカー観戦を楽しんでるよ。


彩乃のお陰だな。」



「昴さんだって凄いです。こんな広いスタジアムでターゲット見つけたんですから。


昴さんが見つけたから私が動けました。」


「そだな。なんやかんやいいながら、少しはかっこついてきたな。


あ~それにしても腹減った。朝からなんも食ってねえや。せっかく博多にきたから豚骨ラーメンでも食っていこうよ。」


「わかりました。博多ラーメン店までいきますよ。」彩乃は僕の手をとったと思えば、また光が回る渦巻の中にいた。

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