第10話
次の日の朝、またサムリーから起こされた。
「昴、朝だ。表で待つてるからな。」
「え〜!僕には夏休みってものがないのかよ。」
カーテンを開けて外を見ると、昨日、図書館にいた女の子も一緒にいた。
どうなってるんだー。
とにかく、急いで着替えて表にでた。
「突然呼び出すのやめてください。てかなんで君ここにいんの?」
サムリーが
「彼女は彩乃さん。今日から君と一緒に行動してもらう。彩乃は瞬間移動の訓練中だ。」
「へっ?まじですか?
そんな〜。昨日は闇のやつに意識コントロールされかかってじゃないですか?」
するとサムリーが
「そうだ、少しでもネガティブな心を見つけると闇のダークなやつらが狙ってくる。それも彩乃は瞬間移動できるサイキックのたまごだから特に狙われやすい。」
「昨日はありがとうございました。助けてくれて。サムリーさんからいろいろなこと聞きました。
私の寂しい気持ちに危うく、おとしめられそうになったみたいで、それと、時々私、行きたいところにいけたことがあるんです。
通学途中に突然、おばあちゃんの家の近くの河原の土手を歩いていたり、あと一度だけですが、車に引かれそうになった小学生を助けたことがあります。自分でもわからないんですが、気がついたら、車の前のその小学生の女の子を抱きかかえて20メートル位離れた反対側の歩道にいたんです。」
「へ〜!」
「力のある者同士が一緒にいたら覚醒のスピードも早いからな。」サムリーは相変わらず顔色を少しも変えずに淡々と話す。
「そういうことだから、今日はサッカーの試合があっている博多の森にいく。レベルファイブスタジアムだ。」
「え〜!福岡にいくんですか?飛行機のチケットは?」
「まだわかってないな。私達の能力を。
彩乃と私の手を取り目を閉じなさい。」
僕は差し出された二人の手を取ったとたん、光がクルクル回転しはじめたと同時に、キーンという小さな音が10秒位聞こえたかと思えば、あっというまに緑いっぱいの公園についた。
この先がレベルファイブスタジアムだ。急ごう!
「へっもう着いたの?」
便利ではあるがあわただしい。まったく僕の人生はどうなっちまうんだ。
そのスタジアムでサッカー観戦するわけじゃないよな。
サムリーいったい僕らはそこでなにすりゃいいんだ?
するとサムリーが
「ネットでテロの予告があったんだ。
仲間から連絡あってすでに計画実行している数人は警察に突き出しているが、まだ一人このスタジアムにいる。
そいつを見つけて、起爆装置を奪うんだ!
」
「え〜、そんな危険なことまだ、この先人生長い僕には無理だから。
第一、こんな何万人もいるなかでどうやってそいつを見つけ出すんだ?」
「ごねている暇はない。」
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