第8話

なんだか僕の想像とはかけ離れたことが起きていることをサムリーから説明を受け、また僕の役割が大きいこともわかってきた。しかし、本当に僕にそんなFBI捜査官みたいなことができるんだろうか。

疑問だらけだった。



図書館につくと、サムリーとは少し離れたところに席をとり、僕は「宇宙の神秘」という本をもってかわいい女の子の前に座った。



なになに、プレアデス星団ってどこにあるんだ。


おっここに記載があるぞ。


(プレアデス星人は地球を平和にする使命のために地球人として何千年も前から生まれ変わりを繰り返していると言われています。何回も転生を繰り返している為プレアデス星人としての記憶は失っているようです。


おうし座のプレアデス星団はとても美しい星であることから世界中で愛されています。そしてその美しさゆえに伝説や神話も沢山伝えられています。)


ふーん!ということは地球に大勢のプレアデス星人が自分のルーツを知らずに地球人として生活しているということか。


そこまで読んでいたところでサムリーがテレパシーを送ってきた。


「昴、隣の男の様子はどうだ?心を落ち着けて頭の中を覗いてみてくれ!」


なんだか暗そうなやつだな。正面の美少女の方がいいのに。


僕は静かに、目を閉じて彼の心にはいってみた。

なんだか気持ち悪くなってきた。


恨みや妬みで渦まいている感じだ。いじめにもあったことがあるみたいだ。



爆弾?なんだ、爆弾をつくるのか?


やばいやつだ。彼は必死で爆弾の作り方のページを読んでいた。


とっさに「サムリー。こいつやばい。爆弾作って自分が卒業した中学にしかけるつもりみたいだ。」


テレパシーを送った。


「よくやった。昴、実行する日はいつだ?


「え〜とえ〜と夏休みの中の登校日。一週間後みたいだ!」


「わかった。あとは私達がなんとかする。君は向いに座ってる女の子のこころを読んで人生勉強しておきなさい。私は先にいくよ。」  


そういったかと思うとサムリーは消えてしまった。


隣の男は読んでいた本を借りる手続きをしにカウンターに向かっていた。


人生勉強?ってなんだ?


とりあえずサムリーがいってたように向いに座っている女の子の頭の中を覗いた。


するとさっきよりもっと黒ぐろした渦巻が見えて、しね、しねと唱える声が聞こえた。


なんだ、こんなかわいい顔していて、心は病んでいるのかよ。もったいないな。


なになに?


両親は共稼ぎで幼い時から一人でご飯食べてたんだな。隣に住んでいる同世代の女の子には兄妹がいて夕食時には家族の明るい笑い声が聞こえるのかー。


それがやっかみとなってるんだな。

それにしてもなんか変だな。


彼女の後ろの方からなんか強い力が感じる。


あいつだ。変なパワーを送っているやつがいる。


「君?大丈夫かい?」僕は女の子に声をかけた。

するとその子が我に返った顔して、


「私、今変な夢見てたようなー。」とぼか〜んとしていた。


うしろにいた目つき悪いやつが、ネガティブな心の女の子をコントロールしていたのか。あいつはどこにいったんだ。


気づいた時には、その場にはいなくなっていた。


サムリーが言っていたのはこういうことだったんだと理解した。

案外簡単に意識コントロールできるものなんだな。


最近、ニュースでも猟奇的な事件が多いのもこの闇の勢力ってもんのせいかもしれない。そうだとしたら日本は、いや地球は侵略されつつあるということなのか?


確かにネットでも闇サイトにはそういいやつらが集まってきていて、そこに悪人が入り込んできて悪用する人間の話しは想像できたが、まさか宇宙のダークなやつらの意識コントロールとはな。


驚いてばかりはいられないということだな。


よく事件の連鎖みたいなことをニュースでみるが

それが悪の宇宙人の仕業かもしれないということか。


とすると地球を救おうとしている宇宙人との比率はいったいどうなっているんだろうか。


僕みたいな非力な人間の力だけでは焼け石に水ではないか?


サムリーの言っていた事がわかり始めたらなんだか恐怖と不安がおそってきた。

僕達の知らないところでなにかが起こっていて、

テレビやラジオやネットでは公にされてないことが毎日おきている。


国同士の戦争や経済戦争なんてレベルの話しではなく、地球が侵略され始めているということか?


とにかくサムリーの連絡をまって話しを聞こうと家路に向かった。

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