第7話
いろいろなことを妄想してワクワクしながら眠りについたかと思えば、誰かが呼ぶ声で目が覚めた。
「昴、いつまで寝ている。早く着替えて外にでてきなさい。」
カーテンの外はとっくに日が高く昇っていて、部屋は暑く僕は汗をかいていた。目をこすりながら窓の外を見るとサムリーが二階を見上げて僕を見ていた。
やばっい。寝坊してしまった。
僕は飛び起きて急いでティシャツとズボンに着替えて玄関を出た。
遠くの方で母親が「朝ごはん食べないの〜?」と声がしたが、それどころではなかった。
サムリーは少し離れた木陰の下に立っていた。
「やっと気づいたか。まあしょうがないな。昨夜は楽しい妄想でねむれなかったんだな。
今日から君の能力をどんどん引き出していくよ。」
「サムリーは生まれた時からテレパシーを使えてたんですか?」
「そうです。生まれた時から。
地球にいる君たちにもテレパシーや瞬間移動もできるんだが、その能力を封印されてきた。
実は君たちも、親友同士がまったく同じタイミングで同じ内容のメールを送信し合ったり、家族の体調の不具合を遠方から察して駆けつける…、このような事例は多数報告されており、日本では「虫の知らせ」とも表現されているが本来はもっともっと力をだせるんだよ。
君も知らず知らずに使っていたことはあったようだな。」
「小学4年生の頃にみんなでトランプの7並べをやってた時に、7の数字4枚が自分のところに配られるようように祈りました。
すると自分に配られたカードの中に4枚7があり、一番に勝てた記憶はいまでもはっきり覚えていますよ。
あと一緒に遊んでいた子が時々嘘をつくのがわかって、それに気づかないふりをするのに子供ながらにめんどくさいと思ったり。なんかそんなことはちょこちょこありましたね。」
「そう君は人の心が読めていてたんだよ。
だが本当の力はそんなものではない。
今から近くの図書館にいく。黙って本を読むふりをしながら隣に座っている人の心を読んでみたまたえ。」
「えっ?そんなことしていいんですか?今日本の法律、個人情報保護法っていうのがあるんですよ。考えていることまでわかってしまったらまずいですよね。」
「そんなこといってる場合ではないんだ。今宇宙の闇の勢力が、地球にかなり来ていて、ネガティブな精神の人間をコントロールし始めているんだ。
これをほっておくと路上などの無差別殺人やテロが確実に増えていく。それをなんとしても阻止していかなければ、地球で生きてきた君たちの未来はないんだよ。」
僕は昨夜妄想していた宝くじ当選やモテモテの自分の上に突然、でっかい岩が落ちてきた感じがした。
「え〜そんな潜入捜査みたいなことぼくにできるわけないじゃないですか?もっと楽しいことにテレパシーつかいたいっすよ。」
「安心したまえ、君は情報を見つけたら私に知らせるだけでいい。
そのあとは私達の仲間が解決に動くから。
とにかく急がないとまた大量殺人が起きてしまう。」
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