第6話

サムリーはいった。


「あれは、ある意味昴が始めて秘められた能力を使った瞬間ですね。怒りも強ければバワーも強くなってしまう。


しかし、使い方を間違えてしまうと君もこの世から消えてしまうことになるんだよ。」


「えっ!?あれは僕のなにかの能力というのですか?


旦那さんの命がもしかしたらまずいことになっていたかもということ?」


「そうだよ。あの時はまだ君の力は完全ではなかっから、充電切れみたい状態だったが、エネルギーチャージ完了状態だったら力の使い方の誤用で君は宇宙から抹殺されていたはずだ。」



「えっ?そんな…。なにも知らない僕にそんな仕打ちひどすぎますよ。


第一、次の日明子先生に部活が終わってから、あまりのもやもやをスッキリさせる為に意を決して直接尋ねることにしたんですよ。


先生そのあざ、どうしたんですか?って。


先生、隠してもないので思い切ってきいてみました。


そしたら、先生が笑いながら、私、毎週バレーボールやってるのよ。


私、皮膚が弱いのかなー。けっこうスパイクを頑張って受けてたらこんなになっちゃって。


やだー昴君、気づいたのね。はずかしー!だって。



自分の浅はかな疑いと軽はずみな怒りをいだいたてしまい、恥ずかしいのは僕の方でしたよ。」


「そうだったな。間違った思い込みが人生を狂わせてしまうことがあるから、教訓として心にとめておきなさい。


さてこれから、君は私と一緒にしばらく行動してもらうよ。


いろいろな場面に遭遇した時に、どの能力をどのタイミングで使うかを学んでもらう為だ。いいタイミングだ。夏休みだからな。


君のミッションはまずは一週間でテレパシーを完全マスターすることだ。


では、私が明日連絡するから、テレパシーを使って答えてくれ。


今日はたくさんのことを話したから、いろいろ考えずにゆっくりして早めにやすまたまえ。


では。」


サムリーはそういったかと思ったら振り向き2〜3歩歩いたかと思えば、見えない壁の中に入っていくように消えてしまった。


「ふ〜。」


僕は大きく深呼吸をした。

頭の中におかしさがこみ上げてきた。


僕はまさに映画の世界の主人公のようにエスパーになるんだろうか?


うふ。では明日から勉強しなくても試験の回答がわかるのか?


就職や恋愛も自由自在?


ブラボー!


笑いが止まらないな!


宝くじって手もあるな!



うひゃうひゃひゃ。


にやけてしまう。


明日からの人生を思うとワクワクしてきた二十歳の夏だった。




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