第83話 連携の難しさ

いざレッドクリフを登って行くとゾンビ化の影響で腐敗してなお動いている魔物がかなりの数がいた。


葉留はセオリー通り先陣をきって攻撃を仕掛けた。


当然攻撃した敵は葉留を攻撃してくるが、その周りの魔物は後衛の真矢と桜に向かっていく。


「ちょっと葉留ー、敵こっち来てるよー」


桜は笑いながら指摘した。


「ごめん!次はちゃんとやるよ!」


「少しずつ慣れていこ!」


真矢は葉留をフォローした。


桜は久しぶりの戦闘なので楽しそうに生き生きと動き、次々と魔物を倒していく。


真矢も負けじと魔物を倒す。


葉留は倒す事よりも敵を引き付けることに集中している。


少しずつだが確実に魔物を倒しながら上へと進んでいく3人。スキルや魔法はボス戦まで温存のため使わずにいた。


ようやく山の半分くらいまでやってきた3人は少し休憩する事にした。


「あー疲れたー」


桜はかなり動いていたため3人の中で1番消耗していた。


「やっぱり桜は強いね」


真矢が桜を褒めた。


「そうかな?ありがとう!まだまだ頑張っちゃうよー!」


桜のやる気が上がった。


「連携ってけっこう難しいや、だいぶ慣れてはきたけど、スキル使わないから敵の攻撃がもろにくらって中々痛いし」


葉留は敵の攻撃を受け続けるためかなり体力を使う。


「あと半分だしみんな頑張ろ!」


真矢は2人を励ました。


10分ほど休憩した所で3人は再び頂上を目指し始めた。


レッドクリフの魔物はそこまで強いわけではない。ゾンビ化の影響もあるため動きが鈍い。3人での初の戦闘にはうってつけだった。


もう少しで頂上に達しようとした時桜が2人を呼んだ。


頂上付近から見る街やミース平原、とにかく絶景だった。誰も登山などはしないため写真でしか山からの景色は見た事なかった。


3人は少し感動していた。


「これ超すごい!」


「すごく綺麗」


「良い眺めだねー」


景色を見ていると今までの疲れが消えていくような感じがしていた。


「じゃあ堪能した所でボス戦行かますか!」


葉留は笑顔で言った。


「ちゃんとヘイト維持してよね、タ、ン、クさん」


桜はニヤッと笑い葉留をからかう。


「任せろ!」


「葉留、桜、ここからは全力出して良いからね!」


2人はそれぞれ頷く。


そしてタイラントがいる頂上に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る