第80話 真矢の大変な一日
真矢は2人のらために何か食べる物を買いに来ていた。
「んー、何が良いかな?--あっ!これ美味しそう!、これも美味しそう!迷うなー」
どれも美味しそうで悩む真矢に店主の男が話を持ちかけた。
「うちのはどれも美味しいぜ!--すまねえが冒険者の嬢ちゃん、頼みがあるんだが」
店の店主は真矢に料理の素材、カタルシア城塞都市の付近にいる小型のうさぎを3匹ほど捕獲してほしいとの依頼をした。
ちゃんとお金が貰えるのと困ってる人を見過ごせない性格のため真矢は依頼を受けた。
真矢は急ぎカタルシア城塞の外に出てうさぎを探した。
「うさぎどこだろ?--いた!」
ちょうど3匹ほど入る鉄のカゴを持ち次々とうさぎを捕獲していく。
「あと1匹……どこ?」
あと1匹を探している時何か物凄い足音がこちらに向かってくるのが聞こえてきた。
「何この音?--ん?……い、イノシシ!?」
かなりの大きさのカタルシアイノシシが真矢に向かって突進してきていた。
カタルシアイノシシは好物のうさぎを捕獲されている事に腹が立ち襲ってきたのだ。
それを知らない真矢は必死で逃げた。出来れば無駄な殺生はしたくなかったためとにかく逃げた。
「いやー!こっち来ないでー!」
焦りながら逃げてる先に最後の1匹のうさぎがいた。それを走りながら片手で捕まえカゴに入れた。
そして急いで城内に入った。
「はあはあ、つ、疲れた……さあ、納品しに行こ」
汗だくになりながら真矢は先程の店に向かった。
「ありがとう嬢ちゃん!これでまた美味い料理が作れるぜ!これは報酬だ!受け取ってくれ!」
真矢は報酬のお金を頂いた。
「あ、ありがとうございます」
真矢は葉留と桜の為に報酬のお金で食べ物を買い薬屋兼病院に戻ることにした。
「はあ、食べ物1つ買うのにとんだ目にあった」
疲れていた真矢は歩いて帰っていた。
すると後ろからゆっくり真矢に近づく怪しい男がいた。真矢は疲れて警戒心が薄れていた。
そしてその怪しい男が真矢の持っていた食べ物と報酬金を奪い取り走って逃げた。
「う、うそ!そんな漫画みたいな展開ホントにあるの!?」
真矢は急いで怪しい男を追った。
狭い路地や複雑な道に逃げられたため真矢は見失いそうになっていた。
「はあはあ……ま、待ちなさーい!」
真矢はとうとう見失い、スタミナも切れた。
「はあはあ、も、もうなんなの一体」
しょうがないのでもう一度店に戻ることにした。
とぼとぼ歩いていると小さい女の子が泣いているのを見掛けた。
ほっとけない性格の真矢はもちろん話しかけた。
「どうしたの?」
真矢は女の子に話しかけた。
「お母さんとはぐれちゃったの」
女の子は泣きながら話した。
「じゃあお姉さんと一緒に探そうかお母さん!」
女の子は泣きやみ笑顔になった。
とりあえず街中を歩く事にした。
「ねえ、お姉ちゃんは何をしてる人なの?」
「私は冒険者で悪い奴らを倒すお仕事をしてるんだよ」
「そうなんだ!かっこいい!」
真矢は少し嬉しくなった。
2人で色んな話をしながら歩いていると遠くから女性の声が聞こえた。
どうやら女の子のお母さんのようだった。
「どうもありがとうございます!なんとお礼をしたらいいか」
女の子の母親は感謝をした。
「無事に再会できて良かったです!お礼とかは大丈夫ですので」
「ありがとうございます冒険者様」
母親は深々と頭を下げ、女の子は真矢に手を振り帰って行った。
「女の子可愛かったなー、いつか私にも子供ができたら」
真矢は照れながら未来を想像していた。
その時城門の方から叫び声が聞こえてきた。
「逃げろー!魔物が城内に侵入したぞー!」
真矢は叫び声が聞こえる方を振り向くとこちらに一直線に向かってくる魔物がいた。
それは先程のカタルシアイノシシだった。
「もうなんなのよ今日は!ほんとツイてない!無駄な殺生はしたくないけど私だってイライラする事だってあるんだからね!」
「炎魔法ファイア!」
カタルシアイノシシは炎魔法ファイアを浴びたがそれでも突進してくる。
「げっ、ファイアじゃダメか--ならまだ使ったことない魔法で倒す!--雷魔法!サンダーストライト!」
雷魔法サンダーストライト--雷の槍を相手に向かって投げる。投げた槍は目標に向かって高速で飛んでいく。
サンダーストライトを受けたカタルシアイノシシは感電し黒焦げになり倒れた。
「雷魔法けっこう楽しいかも!」
カタルシアイノシシを倒した真矢は周りの人々から歓声をうけた。
カタルシア兵から報酬金を少しもらったためこのお金でもう一度食べ物を買うことにした。
病室に戻った真矢。
「2人とも食べ物買ってきたよ!」
笑顔で2人に食べる物をを配る真矢だが桜が一言。
「ごめん真矢、私達もう……晩御飯食べた」
申し訳なさそうに桜は言った。
朝買い物に出掛けた真矢が帰ってきたのはもう夕暮れ時だった。
「もう今日はほんと散々な日だよー」
今日の真矢の一日を聞いた葉留と桜は笑ってしまった。
真矢は複雑な気持ちで買ってきた食べ物を食べることにした。
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