第79話 絶対守ってね
「ねえ!2人ともお腹減ってない?私何か買ってくるよ!」
真矢は2人の世話を焼きたいのかまだ動けない2人の為にカタルシア城内で食べるものを買いに出掛けようとしていた。
「私はなんでも良いよ」
桜は真矢に任せた。
「俺は肉!肉が食べたい!」
葉留は最近肉を口にしていないため肉が食べたくて仕方がなかった。
「桜はお任せで葉留は肉と……分かった!美味しそうなの買ってくるね!」
そこに薬屋兼病院の店主ティファがやってきた。
「じゃあ私は甘い物でいいかな!」
ちゃっかりティファも真矢にお願いした。
「分かりました!じゃあちょっと行ってくるね!」
真矢は病室から出ていった。
病室は葉留と桜の2人きりになった。
「ね、ねぇ、さっきの事なんだけど……私、葉留の事がす、好きみたいなんだよね」
桜は顔を赤くして勇気をだして告白した。
「そうなんだ……ごめん、俺は真矢が好きなんだ」
葉留はうつむきながら言った。
「そ、そうだよね、知ってたけど言ってみただけだから!この事は忘れて」
桜は断られるのはわかっていたがそれでも悲しくて、それを見られるのが嫌で布団を被った。
「だからって桜を見捨てたりしないから、俺が桜と真矢2人を守るから!……それに、桜の初ちゅー奪っちゃったし……その責任も取らなきゃだしな」
葉留は照れながら必ず2人を守ると誓った。
その言葉に桜は布団の中で葉留に聞かれないように声を押し殺して泣いた。
「葉留、ちょっとこっち来て!早く!」
桜は少し怒ったような口調で葉留を自分の方に来るように言った。
なんだろ?と思い少し動ける葉留はまだ布団に潜っている桜の近くに寄った。
すると布団をバッと取り桜は身体を起こし葉留を引き寄せてキスをした。
「責任とって絶対私達を守ってよね葉留」
桜は目に涙を浮かべながら強気な表情で言った。
葉留は照れながら頷いた。
その時病室のドアが開く音をした。
桜は真矢が帰ってきたのかと思いバレたくない一心で葉留のお腹に思いっきりパンチをした。
「ぐは……何すんだ桜ー!」
桜は急ぎ布団を被った。
病室を開けたのはティファだった。
「……何してるんや2人とも?」
葉留は腹パンされうずくまっていた。
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