それぞれの時間 編
第78話 冒険はしばらく休業
バンッと扉を開け病室に入った真矢。それに葉留と桜が驚いた。
特に桜は驚き、顔が真っ赤になっていた。
それもそのはず、今まさに自分の気持ちを葉留に伝えようとしたからである。でも最後まで言えず、そこに真矢が来た事から桜の心臓はバクバクしていた。
「ま、真矢……」
桜はびっくりしている。
「さ、桜ー!」
真矢は桜に抱きついた。桜が生きていた事がすごく嬉しかった。
桜は心境的に複雑だったがやはり真矢が好きな事を再確認する。
「生きてて良かった!」
「いちようまだ病人だからあまり強く抱きしめたら痛いよ……嬉しいけど」
「あっ!ごめんね!」
真矢は急ぎ手を離した。
「あのー、俺も生きてるよ」
隣のベッドにいる葉留が声を出した。
「葉留、お疲れ様!」
真矢は笑顔で答えた。
真矢はフェンリルの救出と経緯を2人に話した。
「ありがとう真矢!リルを助けてくれて」
桜は真矢に泣いて感謝した。
「あのオーガと共闘ってめっちゃ心強そうじゃん!」
葉留はオーガと共闘した真矢が羨ましく思った。
「うん!さすが魔物界No.2だよ、力も速さも凄かった!」
真矢はオーガの凄さを熱弁した。
3人は傷を治すことに専念をし、万全の状態で黒いマントの異世界人を探すことにした。
葉留の傷は軽度。
真矢は特に怪我なし。
桜は重症のためしばらく病室で療養しないといけない。
2人のベッドの間に椅子を置き真矢は2人に挟まれながら疲れていたせいか座ったまま寝てしまった。
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