第75話 追跡

オーガと真矢は共闘で戦う事になった。


「お前はここに居てお父さん達が来るのを待ってなさい」


オーガ父は自分の子供に少しの間この村にいてくれと言ったが。


「え、でもここ人間いっぱいで怖いよ」


オーガといってもまだ子供のため人間は恐怖の対象らしい。


すると真矢が村人達と村長にお願いをする。


「私達が帰るまでどうかこの子をお願い!種族が違うだけでこの子は優しい子よ!絶対あなた達には迷惑をかけないわ!」


人間にとってオーガは魔物のなかでもかなり怖い存在のため簡単に分かりましたと言うのは難しかった。だが村長がみんなに向かって話し始めた。


「良いではないかみんな!何を恐れている、これからフェンリル達と一緒に共存して行く前の予行練習みたいなものだ、どうか真矢とオーガの頼み受け入れてやろうぞ!」


この言葉に納得した村人達は何かが吹っ切れたかのようにオーガの子供を歓迎した。


「よし!帰ってくるまで俺たちでオーガの子供の面倒を見てやろう!」


という者や。


「私1回で良いから魔物の子供と遊んでみたかったの!」


と言う村の子供まで現れた。


あまり活気のなかったフェオラル村に少し活気が戻った瞬間だった。


それを見ていたオーガの子供は不安だったが楽しそうと言う好奇心が強くなり真矢と父親が帰ってくるまでこの村にいる事を決めた。


「では行こうか真矢殿!」


オーガ父は意気揚々としている。


「うん!よろしくねオーガのお父さん!」


笑顔でオーガに接した。


「お父さんはよしてくれ!オーガで良い」


「分かったオーガ」


「話を戻すがその黒いマントはどこに行ったのか分かってるのか?」


オーガは疑問に思った。


「分かんない!」


真矢は自信満々に言った。


「おい!それじゃどうやって見つけるんだ!?」


「フェンリルの匂いよ!話すフェンリルが森に向かっている時誰かに襲撃を受けた可能性があるの!でも現場には仲間が1人倒れてただけ……もしかしたらその敵はフェンリルを回収したかもしれないからオーガのそのすごい嗅覚で敵を見つけてほしいの!」


真矢は桜から何も聞いてないので村長と村の人達の情報を元に導き出したに過ぎない。必ずしも敵はフェンリルを回収したと確信した訳でもない。だがこれしか方法がなかった。


「了解した!フェンリルの匂いはだいたいわかる、急ぎそいつを探し真矢殿の仲間の無念をはらさん!」


オーガ父は俄然燃えてきた。


「いや、桜は死んでないけどね」


葉留なら必ず桜を助けてくれると信じオーガの嗅覚を頼りに真矢は黒いマントの所へ急いだ。


カタルシア城塞都市からもフェオラル村からもどんどん離れていく。


フェオラル村から10kmほど離れた所から荒野が広がっている。


「匂いがどんどん強くなってきたぞ!奴はもうすぐだ!」


荒野に入った所で匂いが強くなってきた。


真矢は黒いマントがいないか遠くの方まで見回してみた。


すると黒い動くものをオーガが発見した。


「いたぞ!」


オーガは真矢に伝えた。


真矢とオーガは走った。


そしてようやく追いつきそうな時黒いマントは足音に気づいたのかこちらを振り向いた。


「やっと追いついたよ!」


「恩人の仲間の仇打たせてもらうぞ!」


黒いマントは撃った奴の仲間が来るのではないかと予想はしていたが、まさかオーガが来るなんて夢にも思ってなかったのか少し後ずさりするような行動をした。


そして拳銃を出しオーガに銃口を向ける。


「あいつの持っている小さい武器はなんだ?」


オーガは真矢に聞いた。


真矢が説明しようとした時、黒いマントはオーガに向けて拳銃の引き金を引いた。


バンッと言う音とともにオーガの胸に銃弾が命中した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る