復讐 編

第74話 オーガ共闘

真矢は桜を抱えカタルシアに向かった葉留を見送り自分にも何か出来ないか考えていた。


とりあえず今までの経緯を村長に聞くことにした。


村長からは桜に魔物討伐の依頼を出した事、その魔物は昔この村で人間と共存していた事、全てを聞いた時真矢の黒いマントへの怒りがこみ上げた。


「あの黒いマントが全ての元凶なのかも、あいつを倒して何でこんな事するのか吐かせてやる!!」


だが以前葉留と2人でも勝てなかった相手にどうしたら勝てるか悩んでいた。


するとなにやら村の入口が騒がし事に気づく。


魔物が襲ってきたのかと思い真矢は村入口に向かった。


真矢が駆けつけるとそこにはなんと以前助けたオーガの子供と大人のオーガが1人いた。


「あ!君はあの時のオーガの子!元気だった?」


「真矢お姉ちゃん!元気だったよ!今日は真矢お姉ちゃんにお礼をしたくて僕のお父さんと一緒に真矢の匂いを辿ってきたんだ」


なんとオーガは真矢の匂いだけで村にいる事分かった。


「初めまして真矢殿!私はこいつの父です、先日はうちの子供がお世話になりました!」


オーガの父が真矢にお礼を言い頭を下げた。


オーガが人に頭を下げてる光景を見ていた村の人々はかなり驚いた。オーガは人間を格下に見ており、そんな格下に頭を下げる事など絶対ないと思われていたからである。


村人達は真矢がオーガより強い存在なのだと思い正直怖くなっていた。


村人の1人が真矢に近づいてきた。


「真矢様、オーガのとはどういう関係ですか?」


小声で真矢に質問した。


「前に薬を買うのを手伝っただけですよ」


困った顔で笑いながら説明した。


「真矢殿のおかげで私の妻が元気になりました、どうか何でも良いのでお礼をさせてほしいのです」


オーガの父は真矢にお願いした。


困った真矢だがある事を閃いた。


「ねえ、オーガの種族は強い種族なの?」


真矢はオーガの父に質問した。


「知れたこと!我々より強い種族といえばドラゴン族のみ!それ以外は我々の敵ではありませんぬ!」


オーガ父は自分たちの種族の事を熱く語った。


ドラゴン族の次に強い種族と聞き真矢はオーガにお願いする事にした。


「じゃあ私のお願いを聞いて欲しい!」


「なんなりと」


真矢は之までの経緯をオーガに話した。


そして。


「だからお願い!私と一緒に黒いマントの敵と戦って欲しいの!」


オーガ父は目から涙が零れる。


「なんと可哀想な……許せんその黒いマントやら!我が子の恩人の頼みとなら喜んでお引き受けしますぞ!我々は戦闘種族!戦いにおいて負ける事などオーガの恥!お任せ下され真矢殿!」


オーガ父は先程よりも熱く語り真矢の力になる事を決めた。これにはオーガの子供も喜んだ。


「ありがとう……」


真矢は魔物がみんな敵じゃない、良い魔物も居るのだと思いすごく嬉しくなり、ほんの少しだけ目に涙を浮かべた。

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