第71話 決死の告白

(時間が無い、どうやってダークの状態の桜でカタルシアに連れていけるか考えるんだ!)


桜はスキル迅速を使い目にも止まらぬ速さで躊躇なく葉留を攻撃してきた。


葉留は桜を傷つけないためスキルガードスタンスで耐えるしかなかった。


「くっ、スキル使っても結構痛いんだけど!」


身体能力が向上してる桜の打撃は重く、そして手数が多いためガードスタンスを使っても攻撃が通ってしまう。


ガードしながらどうするか考えている時、桜のオリジナルスキル、インビジブルキリングを使ってきた。


葉留はこの技を見た事がなかった為対処が出来なかった。


無数の飛ぶ斬撃が葉留を襲う。


「これが桜の攻撃!すごい!やっぱり強いよ桜……だからこんな所で死なせないぞ!」


必死に剣で受けるが所々斬撃を受け血が流れてしまっていた。


「このままじゃ薬が切れて死んでしまう……やってみるか」


葉留は桜が正面から攻撃してきた所をスキル、グランドショックを使い桜の動きを止めた。


そして逃げられる前に桜を抱きしめた。


「桜!俺の話を聴いてくれ!」


だが桜はまるで獣のように唸り葉留から離れようとする。


「俺が居ない間真矢を守ってくれてありがと、桜が居なかったら俺か真矢はとっくに死んでいたかもしれなかったんだ……ありがとう桜」


自分の思いを桜に伝えるがあまり反応はなかった。


どんなに思いを伝えてもダメだった葉留は最後の手段にでる。


「桜よく聴け……俺、桜の事が好きだ!!大好きなんだ!」


桜の動きが止まる。そして小声で桜は口を開いた。


「馬鹿じゃないの、あんたには真矢がいるでしょ」


「桜!戻ってこれて良かった!」


「あんたが告白なんかするからでしょ馬鹿」


「ごめん、時間がないからこのまま抱き抱えてカタルシアに向かうよ!」


葉留はお姫様抱っこをしてそのままラスト1回のクイックスタンスでカタルシアに向け再び走り出した。


桜は葉留に聞こえない様な小声で言った。


「馬鹿、好きって言われたら意識しちゃうじゃん……葉留のアホ」


「ん?なんか言った?」


「何でもない!馬鹿!」


桜は照れた顔を見せたくないため手で顔を隠した。


カタルシア城塞都市はもうすぐ。



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