桜 救出 編
第68話 カタルシア城塞都市に急げ
葉留と真矢倒れている人の所へ急いだ。
だんだん近づいてきた時それが誰だかわかった。
桜が苦しみながらうずくまっていた。
「桜!もしかして撃たれたの!?」
真矢が桜に聞いた。桜は小さく頷いた。
「ここにいてもダメだ!とりあえずフェオラル村に運ぼ!」
葉留は桜を背負いスキル、クイックスタンスを使い急ぎフェオラル村に向かった。
真矢も急いでフェオラル村に向かう。
村に着いた葉留は村人に聞いた。
「すいません!ここに治療のできる人はいませんか!?」
「何かあったのですか?」
「俺の仲間が死にそうなんだ!」
村人は桜の顔を覗き込んだ。
村人は急ぎ村長を呼びに行った。
葉留も一緒について行き村長に理由を話した。
「銃というのはよく分かりませんがとりあえずベッドに寝かせましょ」
葉留は桜をベッドに寝かせた。
村長は葉留に桜はこの村を救ってくれた事を話した。
「桜……そんな事があったんだ--それでこの村に治療のできる人は!?」
「残念ながらこの村に医者は居ないのだ……すまぬ」
村長は頭を下げ謝った。
ちょうど真矢も到着した。
真矢は村長にどうにか出来ないか聞いた。
「カタルシア城塞都市ならなんとかなるかもしれんが、なに分ここからは距離がありすぎる……それまで桜様が耐えられるかどうか」
話をしている間にも桜はどんどん衰弱してきている。
葉留は真矢に自分の考えを言う。
「真矢、俺が桜をカタルシアまで運ぶ!真矢は桜の事が不安だと思うけどここにいて欲しい」
「私は1人で後を追うよ!」
そう真矢が言うと葉留は珍しく怖い表情で言った。
「ダメだ!真矢はここに居てくれ、1人の時にまた何かあれば俺は……とにかく!絶対にここにいて!分かった?」
真矢は小さく頷いた。
「またこれを使う」
葉留は薬を取り出した。だが真矢が反発する。
「ダメだよ!今使ったら3日連続で使う事になる……次は戻れないかも知れないんだよ!?」
「それでも今の桜の苦しみに比べればたいした事はないよ……」
躊躇なく葉留は薬を飲んだ。
葉留の身体の半分が黒くなり、次第に破壊衝動が襲ってきた。
「く、うぅ……こんな感情には負け、ない!」
なんとか自我を保ち再び桜を背負った。
スキル回数制限リセットのため葉留が使えるスキルの回数は3回。それまでにカタルシアまでたどり着かなければならない。
1回目のクイックスタンスを使い急ぎカタルシアに向けて走り出した。
真矢はただ祈るしか出来なかった。
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