第66話 好きが止まらない

森の中から音が聞こえなくなった。


「葉留、収まったのかな?行ってみよ!」


真矢は森に入ろうとした。が森の奥から葉留が歩いてくるのが見えた。


真矢は駆け寄り満身創痍の葉留を優しく抱きしめた。


「また無理して!……でもありがとう、ゆっくり休んで」


「ありがとう……」


疲れきっていた葉留はすぐに眠りについた。


まさか同じ日に2回も膝枕をするとは思ってなかった真矢は少し恥ずかしかったが嬉しさの方が勝っていた。


「葉留ほんとに寝たの?」


葉留の頬をツンツンしたりつねったりしてほんとに寝たかを確認した。


2人っきりという事もあり真矢は独り言で自分の感情を爆発させる。


「私幼稚園の頃葉留に大きくなったら結婚して!って言ったの覚えてる?たぶん葉留は忘れてるよね--もし元の世界に帰れても、帰れなくても私は葉留と結婚したい!ずっと一緒に居たい!」


普段言えないよう事を寝てる葉留に向けていっぱい話した。


話してるうちにだんだん感情が高ぶってきた真矢は自分のキャラを崩壊させる。


「もう何が言いたいかって言うと……好きなの!好きで好きでしょうがないの!好き好き!すごく好き!絶対普段の私じゃ言えない事だから今いっぱい言うから!葉留大好き!ずっと一緒に居る!ずっとずっと大好き!」


ひと通り言い終えるとスッキリしたのか落ち着きを取り戻し、恥ずかしさが襲ってくる。真矢の顔はすごく赤くなっていた。


「私何してるんだろ、とりあえずここはどこだろ?」


真矢は辺りを見回した。すると遠くに灯りが見えた。


「灯りって事は村かなんかかな?カタルシアの付近にある村……フェオラルかハリオルかな……でも逃げてきた方角からするとフェオラルの可能性が高いかも!明日あそこに行ってみよ」


さすがに膝枕は疲れてきたため残念だが葉留を地面に寝せ、自分の来ている上着を脱ぎそれを葉留と自分にかけ、葉留にくっつくようにして真矢も眠りについた。


時間は少しさかのぼり、真矢が葉留に2度目の膝枕をした時まだ少し葉留には意識があった。


そしてもうすぐ本当に眠りそうな時、真矢の口から普段聞けないような事が次々と出てくる。


それに葉留の意識は完全に覚めた。が真矢が物凄い勢いで自分の事を好きと言うので起きる訳にもいかず寝たふりをしていた。


やっと好き好き攻めが終わりようやく寝れると思った時だった。


膝枕をやめて今度は自分にくっつくようにしてきた。葉留は健全な男の子のため色々とやばい事が起きてしまう。


ここで色々と起きると今後に関わってしまう為必死で理性を保ち、かつ寝たふりを突き通していた。


そしていつの間にか葉留も寝てしまっていた。


葉留はなんとか自分に勝ったのだ。


この戦いは両者勝利である。

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