第65話 黒いマントとダーク葉留

黒いマントは剣を取り出し20mの距離を一気に詰めてきた。その速さに葉留は驚き咄嗟に剣でガードの態勢をとった。


黒いマントはスキルは使ってないが物凄い速さの乱撃を繰り出した。


葉留は防戦一方で攻撃ができない。


ようやく真矢は身体を起こし葉留のサポートをしようとレイピアの抜いた。


「こ、怖いけど葉留から離れなさい!」


真矢は黒いマントに攻撃しようと前に出た。


それに気づいた黒いマントだが乱撃の手を止めず片手をマントの中に入れ拳銃を取り出した。


そして真矢に銃口を向け引き金をひいた。


パンと音がなり銃弾は真矢の頬に当たるか当たらないかのギリギリの所を通過して行った。


さすがに乱撃を続けながらだと狙いが定まらなかったらしい。


頬をかすり多少の血が出てきた。


誰でも拳銃を向けられれば怖いもので真矢もさっきとは違う恐怖で立ち止まってしまった。


葉留もまさか拳銃を使って来るなんて予想もしなかったためこのままでは確実に殺されると確信した。


葉留どうやってこの場から逃げるか考えようとするが黒いマントはまた真矢に銃弾を撃ち込もうとしている。


(迷ってる暇はない!)


葉留はポケットからカプセルの薬を取り出した。


これは戦争時使った薬、治験部隊に5粒ほど持たされていた。


この薬は身体の限界を超える力がつく。さらにスキル回数制限リセット、スキル効果上昇を得る。


だがこの薬には破壊衝動が抑えられなくなるというデメリットまである。


がこの状況を打破するにはこれしかないと思い薬を飲み込んだ。


次第に葉留の身体の半分は黒く染まっていく。


さすがの黒いマントもこれには驚き、乱撃を止め後ろにさがった。


「くそ、破壊衝動が……だめだ、今は真矢を連れて逃げないと……!」


葉留は頭抱えたままスキル、クイックスタンスを使う。


黒いマントは葉留に銃口を向けた。


葉留は見えない速さで移動し真矢の近くへ行き真矢を抱きかかえた。


黒いマントが銃を撃ったが葉留の速さに当てる事が出来ないとわかり銃をしまった。


気づけば葉留と真矢は姿を消していた。


追いつかれないよう葉留は全力で移動している。考えずに走っている為自分が今どこにいるかわかっていなかった。


「とりあえずここまでこれば大丈夫だろ……」


「ありがとう葉留……でもその姿……」


葉留達がいるのはフェンリル達がいる森の入口だった。


「真矢、とりあえずここにいて……俺は破壊衝動が収まるまで森の中にいる!絶対くるな!」


真矢は不安そうな顔で頷いた。


そして葉留は森に入っていった。しばらくすると森から大きな音が聞こえ始めた。


葉留が暴れてる音だ。


真矢は音がなり止んだら助けに行こうと思い音が収まるのを待った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る