葉留 真矢 編
第64話 まるで幽霊が襲ってきたかのような
戦争の戦場になったミース平原からカタルシア城塞都市に向かっている葉留と真矢。
「さ、桜はカタルシアにつ、着いたかな?」
「ど、どうだろうね?桜はアサシンだからスキル使ってもう到着してるんじゃないかな?」
2人の会話は少しぎこちない。
それもそうだ。戦争中真矢は葉留を抱きしめて恥ずかしい言葉を並べ、葉留に膝枕までしているため今になって付き合ってるわけでもないのに何をしてるんだろ?!と恥ずかしさが込み上げてきているのだ。
葉留は膝枕されていた事で今まで通りに真矢と接するのが少し恥ずかしくなっている。
今までは真矢を幼馴染みの友達としか見てなかったが今は女性として見てしまっているため真矢の顔が見れない。
「あ、あのさ……お、俺真矢の事……」
葉留は真矢に好きと伝えようとした時真矢が葉留の口を抑え、しゃがむように手で合図した。
葉留はそれに従い真矢の指の指す方向を見た。
そして真矢が小声で話した。
「あそこにいる黒いマントの奴なんか怪しくない?」
「確かに、なんか異様な雰囲気だ」
黒いマントは葉留達から300m程離れているが黒いマントと異様な存在感に真矢が気づいたのである。
「あいつはなんかやばいから居なくなったらカタルシアに行こ」
真矢は頷いた。
2人黒いマントの様子を伺っている。が遠くにいるためはっきり見えてる訳では無い。
黒いマントはその場に立ちどこにも行く気配がない。
「まずい、このままじゃカタルシアに迎えない」
その時真矢はおかしな事に気がついた。
それを葉留に言う。
「ねえ葉留、はっきりは見えないんだけど……あいつこっちを向いてない?」
少し青ざめた表情で葉留に言った。
「まさかこんな距離があるのに見えるはずが」
葉留も黒いマントを見た。やはりあちらはこっちを見ていた。
「なにあれ?!すごい怖いんだけど」
真矢は幽霊を見たかのような恐怖におそわれた。
顔には出さないが葉留もすごく怖かった。
黒いマントはフェオラル村の方角を向きゆっくり歩き出した。
それを見た2人はホッとし黒いマントから目をそらした。
「なんだったのあの黒いマント」
「真矢ビビりすぎだろ、俺は全然怖くなかったよ」
安堵した2人はお互いの顔を見て笑いあった。
2人はもう1度黒いマントを確認する事にした。
するとさっきまでいた黒いマントが居なくなっていた。
まさかと思った葉留は立ち上がり周りを見回した。
葉留の嫌な予感が的中した。それは黒いマントが走ってこちらに向かってきていたのだ。
葉留は剣を取り出し戦闘態勢に入るが、真矢が腰を抜かしていた。
真矢は幽霊や怖いことが大嫌いであり、黒いマントを幽霊を見たかのような恐怖におそわれた真矢。それが突如こちらに向かって来ている。
それに真矢は恐怖のあまり腰を抜かしていたのだ。
「いや……いやいや!こっち来ないで!」
「真矢!あれは幽霊じゃない!今更逃げても追いつかれる……戦お!」
真矢は幽霊じゃないと言われても恐怖感が無くなるわけもなく、立とうとするが身体が言うことを聞かない状態。
黒いマントは葉留の20m手前で止まり剣を出した。
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