第28話 最悪のお別れ

戦士はスキルで邪龍を引き付ける


横から魔道士が炎や雷系の魔法で攻撃を仕掛ける


アサシンのランスは眼に見えない早さで飛んでる邪龍に飛び乗り弱点と思わしき箇所を攻撃する


この圧倒的なチームプレイとレベルの違いに桜は呆然と立っていることしかできなかった


桜「これは私の入る隙なんてないや。

飛んでる敵に飛び乗るなんて、もはや人間技じゃない気がするんですけど」


誰が見ても冒険者の優勢だと思うが

邪龍はあまり疲弊してない様にも見えた


それでも攻撃の手を緩めずスキルを多用し攻撃する


戦士ハリス「やばい!そろそろスキルの制限がかか

る。一旦引くぞ!」


魔道士レオナ「私も魔力がもう危ない!」


ランス「なんてタフなんだよ!」


ランスは邪龍から飛び降りた


がその時、巨大な尻尾がランスに向かってきた


ランス「やばい、空中じゃ何も...」


何も出来ないランスは尻尾の攻撃が当たり

かなりの勢いで地面に叩き落とされた


桜と仲間の2人がランスに駆け寄る


桜「何してんのよランス!」


魔道士レオナ「あまり魔力は残ってないけど

なんとか回復してみるね!」


魔道士は残りの魔力を使い回復魔法を詠唱した


だが邪龍も黙っておらずまたも「ファイアブレス」を放ってきた

それも連続で


戦士ハリス「誰も死なせないぞ!

ガードスタンス!」


戦士ハリスがスキルで耐える


ランス「桜すまん、かっこ悪いとこ見せちゃ

ったな」


苦し笑顔で桜に言った


桜「そんな事ない!かっこいいよランスは」


と泣きながら答えた


ランスはかなり重傷で体が動かないほどだった


魔道士レオナ「重傷すぎて回復魔法でも傷を癒せな

い」


全員を守っている戦士は防ぐのが限界に近かった


ランス「みんな、俺を置いて逃げろ...早く」


桜「なに言ってるの!そんなの絶対嫌!」


戦士ハリス「俺だって嫌だね!戦士の名が廃る」


魔道士レオナ「私だって!」


邪龍の攻撃はまだまだ続いている


ランス「ハリス、レオナ...俺の最後の頼みを

聞いてくれ...」


最後の力を振り絞りハリスとレオナに頼みを言うランス


ランス「桜を...俺の一番弟子をこんな所で死なせたくない...もちろんお前ら2人もだ。

そして、俺の代わりに桜を時々でもいい、サポートしてやってくれ。頼む」


桜「やだやだ!!ランスのいない世界なんて

私は嫌だ!

私はもっとランスにいっぱい聴きたい事とか教えてほしい事とかいっぱいあるの!」


ランス「ごめんな桜...お前の未来を見られないのはすごく残念だよ...」


瀕死の状態で桜の頭を撫でた


桜は涙が止まらなかった


ランス「ハリス、レオナ頼む!!」


ハリス「ランス...俺はお前と言う最高の最上級冒険者の事を絶対忘れない!!

これは一生の別れじゃない...

単なるパーティ解散だ。

また会おうランス!」


レオナ「ランス...邪龍は絶対私達の手で倒すから!

また会いましょランス!」


ランス「おう!またな、みんな!」


ハリスはスタンスを解き、レオナは回復を止めた


そしてハリスは桜と怪我をしている冒険者を抱え、レオナと共に後退する


桜「降ろして!ランスを助けないと!」


邪龍はまだ戦士ハリスを狙っていたが

ランスが気合いで立ち上がり

邪龍の敵視が自分に向くように攻撃力の高いスキルを放った


ランス「桜!!」


ランスが大声で叫んだ


ランス「また会おうな!」


と笑顔で桜に言った


桜は泣く事しか出来なかった


ランスの最後を見届ける事もなく王国まで全力で走った




ランス(桜...悲しみを越えて、俺をも超えるア

サシンになるんだぞ)



ランス ( またな )

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る