伝説‥58話〜事情聴取と審議‥②

 ここはオパール城の謁見の間。国王ロウディとその側近であるナルザスは、この1週間の間調べた事とあの城の事を話し始めた。


 リュウキ達は、緊張した面持ちで話を聞いていた。


 そして、ロウディが話し出した。


「この1週間の間。ナルザスに調べさせた事をまず話そうと思う。ナルザスその事についてここで報告して欲しい。」


「はい。その事についてご報告したいと思います。先程の話にもありましたが、学園の講師としてきていたジェフなる者の事を詳しく調べた結果、やはりその者はシェルズ城の者である事が判明しました。」


「うむ。やはりそうか。それでそのジェフについてだがナルザス、確かここには、シェルズ城の者が3人揃っていたな。」


「はい。アイネ・セルピナ、リフィア・ワイル、ダリオス・ルガンをここに連れてきていますが?」


「ジェフの事でその者達に聞いてみようと思うが、口を割りそうもないか?」


「アイネであればこの件の事もジェフの事も話してくれるはずです。それに、この1週間の間アイネの協力がありそのジェフの素性も知る事ができました。」


「なるほど。それならば、ナルザス。そのアイネをここに連れてきてくれぬか?」


「承知しました。早速ここに連れて参ります。」


 そう言うとナルザスは配下の者にアイネを連れてくるように命令をした。


 そして、アイネは拘束されたまま連れてこられリュウキとグラディスの間に座らせられた。


「うむ。お前がアイネ・セルピナか。お前の発言を認める。今から私の問いに答えて欲しい。」


 ロウディがそう言うとアイネは頷き、


「はい。私が知る限りの事を話したいと思います。それに、シュウ達を襲い失敗し殺されていてもおかしくなかったはずのこの身を助けて頂いております。私で役に立つのであればなんなりと。」


「それならば、アイネ。まずはジェフの事について聞きたいのだが?」


「ジェフの事についてなのですが、ナルザスさんにも話しました通り、その者の本当の名はアベル・バスタと言い、私と同じジルベイム様の配下の者でございます。」


「なるほど。その他にその者について何か知っている事はあるか?」


「はい。私とアベルはジルベイム様の命により動いていました。アベルの任務は、ある者のつてを使い実在しないジェフ・リーデェルを名乗り、魔導師学園に潜入し、見習い召喚魔導師に異世界の者を召喚するように仕向け、最も優秀な見習い召喚魔導師を騙し城に連れてくる事でした。私の任務はその見習い召喚魔導師と最も血縁の深い者を拐い、城とは別の場所に監禁する事でした。」


「うむ。そのアベルは今どこにいる?そしてアイネ、お前がさらった者はどこに監禁したのだ?」


「アベルは現在、ダルナドの母親のエイリスが監禁されている屋敷にいます。そしてその屋敷とは、オパール城から東南東に位置するトパーズの街と隣接する森の中にあるジルベイムの屋敷です。」


「ジルベイムとは、確かあの城の大臣の名前だったな?」


「はい、そうですが?」


「そのジルベイムは、シェルズ城の者のはず。何故我が国の領地であるトパーズの街と隣接している森の中に屋敷を建てる事ができたのだ?」


「それは簡単な事です。そのトパーズの街にシェルズ城に協力している者が数名おります。」


 アイネがそう言うとロウディとナルザスとリュウキ達は驚いた。


「なるほど。そうなると、そのトパーズの街も調べる必要があるな。それでその協力している者達の名前や素性は分かっているのか?」


 ロウディがそう言うとアイネは頷き、


「はい。名前は分かっています。ただ、素性までは申し訳ありませんが分かりません。」


「そうか。では、その者達の名前を教えてくれぬか?」


 ロウディがそう言うとアイネはその者達の名前を教えその事について話し出した。

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