伝説‥57話〜事情聴取と審議‥①
ここはオパール城。あれから1週間が過ぎ、リュウキ達は事情を説明するため、城の謁見の間にきていた。
そこにはリュウキの他にクロノアとシュウとクレイ・ディオンとミクとマリリンもきていた。そして後から、アリーシアとルナとディアスとダルナドとユリニャとゲルドフがきた。
リュウキ達の両脇には、この城の兵士が数十名立っている。
「なぁ、リュウキ。何か緊張してきたんだが。」
「シュウ。確かにゲームと違い、いざこういう所に立つと何を話したらいいか分からなくなりそうだ。」
「ねぇ、2人して何言ってるのよ。男ならもっとシャキッとしたらどうなのかなぁと思うんだけど。」
「クロノア。それは無理やと思うんやけど。リュウキやシュウと同じで、俺も流石にこういう所は苦手なんや。てか、クロノアは平気なんか?」
「ん?まぁ多少は緊張するけど。仕事がら偉い人の前での発言とかは慣れてるからねぇ。」
「クロノアって凄いのね。多分私も、発言できないかもしれない。」
「マリリンもそうなのら?私はクロノアと同じで、平気なのら。看護師は、緊張してられないのら。てか、まだ見習いだけどね。」
そう話をしていると、アイネとリフィアとダリオスは拘束されたまま、グラディスに引き連れられ中に入ってきた。そしてアイネ達は、リュウキ達の前に座らせられた。
その後から、ナルザスがこの国の王ロウディ・オパールとともに入ってきた。そして、ロウディは玉座に座り、ナルザスは玉座の脇に立った。
そして、ロウディが話し出した。
「我は、この国の王ロウディ・オパールである。ふむ、流石にこの人数では誰が誰だか分からんな。すまんが、ナルザス。1人1人誰なのか教えてもらえぬか。」
「承知しました。それでは、話す者を決めて前に連れてこようと思いますが?」
「なるほど。その方がいいかもしれんな。」
ナルザスはリュウキ達の方に来ると、一通り見渡した。
「王の前でこの件の事を話してもらうのだが。そうだな……異世界の者の代表として、リュウキとクロノアとシュウ・ライオルスとクレイ・ディオンがいいだろう。召喚魔導師の代表として、ルナとディアスとダルナドとユリニャ。そして、グラディスには、何があったのかを王の前で話して欲しい。」
そう言われリュウキ達4人とルナ達4人とグラディスは王の前にナルザスと共に向かった。
そして、ロウディの前に来ると、ナルザスは一礼をしリュウキ達もそれに合わせて一礼をした。
「陛下。左から順にクレイ・ディオン、クロノア・ノギア、シュウ・ライオルス、リュウキで、そこまでが異世界の者達です。そして、私の配下の者でグラディス・アバロンとグラディスの子供で召喚魔導師のダルナド・カーマス、召喚魔導師のルナ・バイオレット、召喚魔導師のディアス、召喚魔導師のユリニャでございます。」
リュウキ達はナルザスに紹介されると1人ずつ一礼をしていった。
「なるほど。ある程度の経緯は聞いてはいるが、改めて1人ずつ聞こうと思っている。それによっては、処分を下さなければならないのでな。では、ルナ・バイオレット。お前に聞くが、今回の異世界の者の召喚にあたり、最初に言い出した者は誰なのだ?その者はここにいるのか?それと何故召喚しようとしたのか?」
「いいえここにはいません。何故私達が異世界の者達を召喚したのか、今に思えば何でこんな事をしたのかと良く考えてみました。事の始まりは、同じ学園の召喚魔導達の話からだったのです。その時は、臨時で来ていた先生の話をしていました。その先生は、異世界の者を召喚する方法を詳しく教えてくれ、そして、私達でも異世界の者を召喚できる力があると言われました。その話をしていて不思議と私達は異世界の者を召喚してみたくなったのです。」
「うむ、それでその者の名前は分かるか?」
「はい、その先生の名はジェフ・リーデェルです。」
「なるほど。ジェフか……その者の事は、グラディスに聞いてはいたが、ダルナドも確か、その者の紹介によりあの城に行ったのだったな。」
「はい、僕はジェフ先生の紹介で魔法学に詳しい人がいるからと言われ会いました。そして、ジルベイムが召喚魔導師を探しているから会ってみないかと言われ会うだけならと……それと、他に2人の召喚魔導師も連れてきて欲しいと言われました。」
「ジェフか……実は、この1週間の間にその者の消息を探させたのだがみつからなかった。それで、おかしいと思いナルザスにその者の素性を調べさせた。だが、その者は既にこの世に存在してはいなかった。」
「陛下、それはどういう事なのですか?じゃ、そのジェフという者はいったい何者だったというのですか!?」
「グラディス。ふう、まぁいい、発言を許可する。それが分からないのだ。だが恐らくは、あの城の者だという事は、間違いないのだがな。」
そして、ロウディとナルザスは、その事について話し出したのだった…。
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