伝説‥48話〜ざわつくマナ
ここは魔導師学園の時計塔。
(クッ、このままじゃ……。)
時計塔の中ではベルクスが階段を急ぎ降りていた。
「何なんだ⁉︎アイツは?だが、外の様子は見えねぇが何か変だ?さっきより、マナがざわめいてるように見えるが?まさかとは思うが、奴の技と反応してって事なのか?だが、俺の力じゃどうにも出来ねぇしな。」
ベルクスは一階まで来ると、中の通路から別の建物へと向かった。
(クソッ、このままじゃ時計塔に激突する⁉︎何とか回避しねぇと。)
そして、
「ふぅ、何とか回避出来たが。コイツを制御するのにまだ時間が必要みたいだ。さて、どうする?」
ここは時計塔の近く、クロノア達は段々と酷くなる風や大嵐になすすべなく時計塔を見上げていた。
クロノア達は必死にその風に飛ばされないように耐えながら、
「ちょ、ちょっと、さっきより風の威力が、増してるんだけど……。」
「何とか制御し衝突を防いだようだが、あの様子だと、まだ、制御しきれてないようだな。」
「リュウキ……心配なのら。」
話をしていると、ミクは背後に誰かの気配を感じ振り返った。
「だ、誰なのら?……えっ?シュウ⁉︎」
クロノアは驚き振り返った。
「えっ?何でシュウがここにいるわけ?」
シュウは2人を見ると、
「何なんだこの風は?……おい!何で、お前ら2人揃って、こんな所にいるんだ?てか、お前達も召喚されてたのか?そして、この状況はどうなってるんだ?」
「シュウ……えっとね。リュウキが龍に変身したけど、なかなか制御が出来ないみたいなのら。」
「おい!今何て言った⁉︎いや、リュウキって言ったよな!」
シュウはミクを見た後、上空にいる
「シュウ、どう思う?リュウキ、このまま制御出来ると思う?」
「ん?どう思うって言われてもな。何でこうなったのかさえ分からないんじゃ、何とも言えないんだが?」
「話しているところ悪いんだが?話を聞いている限り、お前も異世界の者という事になるな?どうなっているのだ!」
「ああ、そうですが?」
「ナルザス様、これには訳が……その事に関しては後ほど詳しく説明しますので、今は……。」
「そうだな。それで、シュウと言ったか、この状況どう思う?」
「あー、そうだな。アイツの事だから大丈夫だとは思うが……。」
「シュウ、あのね……。」
クロノアはここで何があったのかをシュウとグラディスに話した。
「そのベルクスの稲妻を受け、リュウキは両手に大怪我をしたって事か。その後そいつを追いかけ時計塔に行ったが……なるほどな、そういう事か。で、クロノア、リュウキの怪我はどのぐらい酷かったんだ?」
「んー、多分あれじゃ痛くて、物を持てないんじゃないかと思うんだけど?」
「それで、忍者になったわけか。時計塔での
「シュウ……リュウキ大丈夫かな?」
シュウは上空の
「恐らく、もうそのベルクスって言う奴は、あの時計塔には居ないだろうな。リュウキがその事に気づかない筈がない。だとすると、やっぱり制御出来ずにアイツなりに何とかしようとしてるのかもしれないが……。」
グラディスは急に何かを感じ辺りを見渡した。
「ん?これはまさか何故マナがこれ程にざわついている?」
「グラディス、どういう事だ?……こ、これは、この風のせいで気づかなかったが、大量のマナがあの
「それはどういう事なんですか?それにマナっていったい?」
ナルザスはシュウにマナの事を説明した。
「……という事だ。そして今マナはあの
「それはどういう事なんですか?」
「クロノア、先程もマナについて話したと思うが、マナは魔力が強い者に多く集まりやすい。多分あのリュウキは気づいていないだろうが、恐らく、龍に変身し制御しながら、無意識に魔力を使っているのかもしれんな。」
「じゃ、リュウキはどうなるのら?」
「このまま、そのマナを上手く使い制御出来れば、何とかなるだろうが、気づいていないのであれば困難かもしれんな。」
「ナルザスさん。そういえば、どうやったらマナを上手く使えるようになるの?」
「それは、マナの流れを感じる事だ。本来なら落ち着いた状態での精神集中が必要だが、今はそんな事を言ってる時間はない。今、出来るとすれば、あの龍の魔力を抑え、集まっているマナを必要な量だけを使いこなせれば、なんとか制御する事は可能だと思う。」
「そうなると、誰かがリュウキにその事を伝えに行った方が良いんじゃないのか?」
「そうだが、この状況下で誰が伝えに行けるというのだ?」
「それなら、問題ないと思う。俺が、リュウキのところにいき、話をつけて来ます!」
「ちょっと待て、シュウは、確かベルセルクだったよな?それに相手は空だ!どうやって話をするつもりなんだ?」
「グラディスさん、その事に関しては問題ないですよ。可能な職業マスターしてるんでね。でも、まさかここで役に立つとは思いませんでしたけどね。」
そして、シュウは職業を変える為、メニュー画面を開いたのだった…。
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