伝説‥43話〜言い伝えの真実…
ほんの数分前…ミクは寮の入り口の外でアリーシアの父親のナルザス・ホワイトに襲われていた…。
しかし、何で自分達が異世界の者というだけで狙われなくてはならないのか疑問に思いナルザスに問いかけた。
ナルザスは少し考えた後重い口を開け話し出した。
「…ふぅ…仕方ない…これは別に話しても問題ないだろう…秘密にする事でもないからな…。」
ナルザスは少し間を置き、
「…我々が何故異世界の者を嫌うか……そして…何故お前達を殺そうとしたか……それは過去との因縁…いや…現在もそれは続いているのだ…。」
ミクはその話を食い入るように聞いていた。
「……“昔々遥かに昔の話、まだ国自体が成り立ってなく種族同士の争いが絶えなかった頃。
この世界は種族同士の派閥や格差があまりにもひどかった。
だが、それをみかねた者達がいた。
その者たちは、どうしたらこの世界に争いがなくなるのかと考えた。
そして、ある1人の若者が召喚魔法で異世界から誰かを召喚し助けを呼べないかと提案したが、どうやって召喚したらいいのか分からなかった。
考えても仕方がない、とにかく召喚してみようという事になり、3箇所に召喚する祭壇を作った。
そして3人の召喚魔導師が選ばれ、召喚魔導師達は各祭壇に向かい召喚した。
召喚は成功し3人の勇者が召喚された。
その召喚された異世界の勇者達は、ある不思議な力が宿っていた。
そう召喚された異世界の勇者達にはドラゴンが宿っていたのだ。
だが、3人の持っていたドラゴンの力は、争いを好んでやっていた種族同士の争いを止めたが、余りにもその力が強すぎた為に、世界は焼け野原になってしまい、生き残ったのは各種族の戦いに反対し戦わなかった者達のみになった。
でも、それをみても3人の勇者達を責める者は誰もいなかった。
そして各種族の者達は1つの国を作り上げ、3人の勇者をドラゴンマスターと呼び、裁きの神と崇めた…。”……という言い伝えがある…。」
「それと…異世界の人達を嫌う理由とどう関係があるのら?」
「それはな……この話には続きがある……今でも続いていると言った方がいいか…。」
するとナルザスは遥か遠くに視線を向け、
「……今の話だけなら美談で済まされるが……その後この異世界の者達が…何をしたかお前に分かるか?」
ミクはそう言われ考えたが分からず首を横に振った。
「…その異世界の者達はこの世界に残った…いや…居座ったと言うべきか……。」
「んー…でも、さっきの言い伝えは…裁きの神と崇めたって言ってたのら……それなら…ここの人達が引き止めたんじゃないのかな…。」
「…確かに神と崇めたらしいが…その者達をこの世界に引き止めた訳ではないと言われている…。」
「ふ〜ん…そうなのらね……。」
「ああ…そして、その者達はこの世界を自分の思い通りにしようとした……そして…その者達の野望を打ち砕く為に…3人の異世界の者を召喚した…。」
「んー…何でなのら?」
「ん?…何がだ?」
「…何で…また、異世界の人達を召喚したのら?」
「ああ…そういう事か……我々の祖先もその異世界の者達と戦いはしたが…敵わなかったらしい…。」
「そっか…それで対抗する為に3人召喚したって事か……。」
「…新たに召喚した3人の異世界の者達は…ある場所に…特別な城を築きそこに追い込み…動け無いように城を封印をしたが…その封印は年を重ねる毎に解けていき…何百年前かは分からないが……一度その封印が解かれ…その中で暮らしていた異世界の者達の子孫が動き出し…また、この世界を自分達の思い通りにしようと企んだ……だが…その時も異世界の者達に頼るしかなかった…。」
「んー…その新たに召喚された人達って…元の世界に戻ったのら?」
「ああ…その者達は役目を果たし…元の世界に戻ってくれたらしい…。」
「…そっか…ねぇ…じゃあ…今もその人達って封印されているのら?」
「いや…今では…また封印が解かれ…我々が奴らの動きを監視している…。」
「そうなのらね……んー…ねぇ…もし、私達が、その人達を封印したら信用してくれるのかな?」
「……封印…お前達がか?」
「うん…それにリュウキならやってくれると思うのら…。」
「んー……そのリュウキ本当に信用出来るのか?」
「リュウキは強いし優しいし…そういう事ならやってくれると思うのら…。」
ナルザスは考えていた。
(もし…今召喚された者達が…我々の味方になればどうなる……ただ…本当に信用出来るのか?)
「…ミクと言ったか……それなら…そのリュウキと話をしたいが……。」
「うん…分かったのら……じゃ…行こうなのら〜…。」
ミクは立ち上がりリュウキのいる部屋に行こうとした…その時…空が暗くなり寮のリュウキの部屋の近くの庭に雷が落ちた。
「これは…まさか…ベルクスの仕業か……だが…何が起きた……。」
「…うっ…か、カミナリなのら〜…ヒクッ……怖いなのら〜……。」
ミクは耳を塞ぎうずくまり震えていた。
「…まさか…雷が怖いのか?」
ミクは耳を塞ぎながら頷いた。
「…ミク…もう雷は鳴ってないが…まだ怖いか?」
ミクは辺りを見渡し立ち上がった。
「本当なのら…。」
「だが……これは…ベルクスの魔法…だとすると…ミク…助けに入った方がいいかも知れんな……奴を止めるのはこの私でさえ困難だ…。」
「じゃ…今の攻撃でリュウキ達に何かあったかもって事なのら⁉︎」
ミクの顔が青ざめた。
ナルザスはそれを見て、
「ミク…お前達にかけてみる事にする……だが…我々を裏切った時は…分かるな…。」
「うん…ありがとう……リュウキ…大丈夫かな…。」
ナルザスはミクの肩に手を添え、
「今は…不安がっている時ではない……助けに行くのだろう?」
ミクは頷いた。
そして、ミクはナルザスと共にリュウキの元へと向かったのだった…。
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