黒き伝説となり隠された異世界の勇者達の冒険記〜☆旧異世界勇者・外伝☆

伝説‥28話〜怒り…ピンチ⁉︎

　マリリンはダリオスを睨みつけた…。

　マリリンは痛いのを我慢しながら両手を上に翳し右手の人差し指で術式を描こうとしたが、急に眠気に襲われ地面に倒れ込んだ。

「ま、まさか…あの矢に…薬が……。」

　そう言うとマリリンは眠ってしまった。

　それを見たダルナド達は、

「マリリンさん⁉︎」

「そ、そんにゃ…マリリンさんが……。」

「……マリリンさんが……。」

　そう言うとどうしていいか分からなくなり3人は肩を抱き合い身体を震わせていた。

　するとダリオスはマリリンを抱きかかえ胸にナイフを突き刺そうとした。

　しかし…その時…凄まじい勢いの蹴りが、ダリオスの顔面をとらえた。

「ぐふぁっ⁉︎……だ、誰だ…お前は…この俺の顔に…よくも蹴りを入れてくれたな⁉︎」

　そう言うとダリオスは抱きかかえたまま地面に横たわっていたが、マリリンを地面に寝かせるとその蹴りを入れた者を見た。

　そこにはクレイがいてダリオスを睨みつけていた。

「クッ…さっさとマリリンから離れんかい……それにな…俺は今、虫の居所が悪いんじゃ……それにお前みたいな奴に名乗る名前なんかあるかぁ‼︎」

「ふっ…なるほど…もう1人の異世界の者という訳か……なら、お前もここで…。」

　そう言うとダリオスは両手を挙げ、

　《ダガー オブ アームズ‼︎》

　と呪文を唱えると頭上に魔法陣が描かれ、そこから無数の短剣が現れクレイ目掛け振り注いだ。

「ちょ、ちょっと待てや…ていうか、何で空から短剣が降ってきとんねん⁉︎」

　クレイはそう言い、すかさず無数の短剣を回避しながら、

　《ブレイク オブ パンサー‼︎》

　と言いながら素早く拳で、無数に降り注ぐ短剣を破壊していった。

「なるほど…お前は武道家という事か…なら、あれを使うまでだ…。」

「何するつもりか知らんけど……さっさとかかってこいやぁ！」

(…て言うたけどやなぁ…いったい…コイツの職業ってなんやねん？)

　クレイはそう言うと身構えた。

　そう言いながらダリオスは両手を挙げ、

　《ブレット オブ アームズ‼︎》

　と呪文を唱えると魔法陣が描かれ無数の弾丸が現れたと思うとクレイ目掛け降り注いだ。

「おい⁉︎…嘘やろ？」

　そう言うとクレイは蹴りで弾き飛ばそうとするが、弾丸の数が多く全部は防ぎきれず身体の数ヶ所に当たり、血を流しうずくまってしまった。

「クッ…つう……な、なんやねん…はぁ、はぁ……。」

　そう言うとダリオスはクレイに近づいていった。

「ふっ…まさか…この程度って事はないよな…この俺の顔を蹴り飛ばしたのだからな…そう簡単には…死んでもらっても困る…とことん痛めつけねば気がすまないのでな⁉︎」

　そう言うとダリオスは両手を挙げ、

　《ウィップ オブ アームズ‼︎》

　と呪文を唱えると魔法陣が描かれ、そこから鞭が出てきて、ダリオスはそれを手にした。

「…鞭が…はぁ、はぁ…魔法陣からって……はぁ、はぁ…いったい…どないなっとんねん⁉︎」

　そう言うとダリオスは攻撃を仕掛けてきた。

　しかし…何故かクレイは下を向き不敵な笑みを浮かべていたのだった…。