伝説‥29話〜その怒りMAX…
ダリオスはクレイ目掛け鞭を振り下ろそうとしていた…。
(…フッ…な〜んや…ただの武器召喚魔法やんけ…ほな、あれやったら終いやな…。)
そう思った後ダリオスの鞭がクレイ目掛け振り下ろされた。
クレイは鞭の動きを瞬時に見抜きすかさず両手でキャッチした。
「まさか…俺の攻撃を素手で受け止めるとはな……やはり…この程度では異世界の者を殺すのは無理というわけか……。」
そう言うとダリオスは鞭をしまった。
「何で…お前らは…俺らの命を狙うんや?」
「何故、狙うか…それは簡単な事だ…お前達異世界の者はいくらでも替えが効く……始末してしまえば…次の召喚が直ぐに出来る……召喚魔導師さえいればな…。」
そう言われクレイはダリオスを睨み付けた。
「始末やとぉ………確かに…俺らは…この世界の人間やない…そやけどな……お前らごときに…虫ケラ同然に扱われる筋合いなんかあれへんのじゃ!」
そう言うとクレイは深呼吸をし更にダリオスを睨み付けながら身構えた。
「さて…そろそろ終わりにするとするか……本当はもっと…痛め付けてからと思ったのだがな…。」
そう言うとダリオスは両手を地面に翳し、
《マイン オブ アームズ‼︎》
と呪文を唱えると魔法陣がクレイの周りを囲うように描かれた。
「ん?…こりゃ何のつもりやねん⁉︎…何で攻撃してこんのや……そんで、この魔法陣はいったいなんやねん?」
「さあな…ただ言えるのは…その場を一歩でも動けば…お前の命がないという事だけだがな…。」
「それは…どういう事やねん…まさかとは思うけど…お前は確か…武器召喚魔導師…って事は…スゲー嫌な予感しかせーへんなぁ……。」
「フッ…さあ…どうするのか…お手並みを拝見と行こうじゃないか…。」
そう言われクレイはその魔方陣を眺め考えていた。
(恐らくとしか言われへんけど…この魔法陣の中に地雷か動くとセンサーが反応し攻撃してくるような物が埋まっとるっちゅう事か…それやったら迂闊には動かん方がええな…。)
「どうした?…動けないようだな……それならば…この俺が…お前をそこから誘導してやろう…。」
そう言うとダリオスは眠っているマリリンに近づき抱きかかえると胸にナイフを刺そうとした。
それを見たクレイは怒りを露に、
「…おい…マリリンから離れろ言うたやろ⁉︎…てめぇ…ようも2回も…クソッ‼︎」
「さあ…どうするんだ?…この女がどうなってもいいなら…俺は、このナイフでこのまま…この生意気な女の息の根を止めるだけだがな…。」
そう言われクレイは下唇を噛み締めながらこの場の打開策を考えていた。
(俺が…動かんと…マリリンが殺される…だが…下手に動いたら…爆発するって事か…何かええ方法は無いんかい…。)
そう考えているとクレイはある事に気がついた。
(なるほどな……このくだらん小細工の解決策は、大体は分かった。……まぁ通用するかは知らんけど…やる価値はあるって事やな…。)
クレイはそう思うとその方法を試す為、地面に描かれた魔法陣を眺めていたのだった…。
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