伝説‥24話〜本音?

 ここはオパール魔導師学園のリュウキの部屋…。


「フッ…さぁ…大人しく、私の手にかかりなさい…。」


 そう言うとリフィアはリュウキに襲いかかろうとしていた。


 それを見たリュウキは身構えた。


「ちょ、ちょっと待て…何でこんな事をする⁉︎」


「…さあねぇ…。」


 そう言うと杖を頭上に翳し、


 《ダークネス レイズ‼︎》


 と魔法を唱えると、天井に空間が開き黒い雲が現れ辺りに広がり暗くなり、すかさずリフィアはリュウキに杖を向けると、黒い雲から無数の黒い光がリュウキ目掛け放たれた。


「…なんなんだよー…クソッ…これは…ゲームじゃねぇし…どうしろって言うんだよー……。」


 そう言いながらリュウキは盾でガードするが、スキルを発動してなかった為に黒い光を防ぎ切れず、数発食らい壁まで飛ばされた。


 リュウキは攻撃を受けリフィアを睨みながら、


「グハッ……ちょっと待て…はぁ、はぁ…クソォッ⁉︎…なんなんだ…はぁ、はぁ…。」


「フッ…待てと言われて…待つ馬鹿はいないと思うんだけど…。」


 そう言うとリフィアは杖を頭上に翳していた。


(クソォッ…このままじゃ…やられる……クッ、あの盾が使えれば…だけど…こっちの世界に来てまだ試してねぇし…でも、もしかしたら…職業が変えられれば…一か八かやってみるしかねぇよな…。)


 リュウキは急いで回復薬を飲み、ステータス画面の操作をしてみた。


「…これで終わりよ‼︎」


 そう言うと黒い雲から無数の黒い光がリュウキに放たれた。


「なんとか、行けそうだが……クッ…頼む…間に合ってくれ⁉︎」


 そう言うとリュウキは双竜の盾を目の前に翳すと、その攻撃をガードし、


 《圧制の代償‼︎》


 と言うとリフィアの攻撃は倍になり跳ね返された。


 リフィアはそれを見て慌てて魔法でガードしようとしたが威力がありすぎてその攻撃を受け壁まで飛ばされた。


「…う、グハッ…な、なんなの…その盾は…はぁ、はぁ…それにその力は…いったい…はぁ、はぁ…これが、異世界の者の…はぁ、はぁ…力だと言うのか…。」


 そう言うとリフィアはフラフラになりながら血を流し立ち上がったが、リュウキはそれを見て慌てて近寄り抱きかかえた。


「おい…そんなに酷い傷なのに…何故立ち上がろうとするんだ?」


 そう言うとリフィアは不思議そうに、


「何故…トドメを刺さず…はぁ、はぁ…助ける?」


「さあな…俺は、無意味に人を傷つけたくねぇ…それだけだ…。」


「…お前…そんな事を言っていると…はぁ、はぁ…その内、酷い目に合うぞ…。」


「んー…かもな…そうならない内に…俺は、この世界から…逃げたいんだよな…。」


「…逃げたい?…帰りたいじゃなくて?」


「んー…なんだろな…俺は、凄く嫌な予感がしてる…とんでもない事に巻き込まれるんじゃないかと…だから…帰るというより…逃げ出したい…ここじゃないどこかにな…元の世界じゃなくても…。」


「なるほどな…で、何故…はぁ、はぁ…それを私に話した?」


「あー…いや…なんでだろうな…あははは…。」


 そう話しているといつの間にか部屋の結界が解かれていた。


 そして、リュウキとリフィアの話をクロノアとミクとアリーシアが聞いていた。


 クロノアは気づいていないリュウキの後ろから肩を叩き、


「ねぇ…リュウキ…心にもない事よく言えるねぇ……へぇ…そっか、なるほど…女の人口説いてたわけかぁ…。」


 そう言われ後ろを向くとクロノア達がいた。


 リュウキは慌ててリフィアを床に寝かせると、


「あー…これは…。」


「リュウキ…元の世界も嫌いなのら?」


「ミク…あー…これはな…。」


「リュウキ…そんなにこの世界が嫌いなのかな?」


「ア、アリーシア…だから、これは…。」


「リュウキ…面白そうだから撮るね…。」


 そう言うとクロノアは困っているリュウキの姿を撮った。


「クロノア…お前なぁ…なんで…俺の写真そんなのばっかり撮るんだ?」


「んー…リアに近い…リュウキみたいだからかなぁ…。」


「うっ…それは、否定出来ない…。」


 そう話しているとリフィアはフラフラしながら気づかれないように這って部屋から出ようとしていた。


(今なら…逃げられる…。)


 そう思っているとミクは這って部屋から出ようとしているリフィアに気づいた。


 ミクは両手に短剣を持ち素早くリフィアに近づいた。


 すかさずミクは這っているリフィアの背後から、


「ちょっと…待つのら⁉︎」


 と言うとリフィアの顔の両側スレスレに短剣を刺した。


「うっ……。」


 と言うとリフィアは気絶した。


「あれ…気絶しちゃったのら…エヘヘ…。」


 それを見たリュウキ達は一瞬何も言えなくなったのだった…。

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