伝説‥23話〜リュウキ寝ぼける…⁉︎

 ここはオパールの城下町…。


 リフィアはテレポートでここに来ていた。


(確か話では…異世界の者は、オパール魔導師学園にいると言っていたけど…今は、まだ…情報が足りない…それに、乗り込むにも…夜の方がいい…その間この街を見て廻るのもいいかもしれない…上手くいけば、何か情報が聞けるかもしれないしね…。)


 リフィアはそう思いながら歩いていると、お洒落な食堂を見つけた。


(んー…そういえば…お腹も空いてきたし…夜までここで暇をつぶすのも悪くないわね…。)


 そう言うとリフィアは食堂に入って行った。



 …この食堂の名前はグラナートといい、店の中と外には花が飾られていて、女性などに人気のある店だ…



 リフィアは食堂に入ると席に案内され座った。


 そして、メニューを見て注文すると、しばらくして料理や飲み物などが運ばれてきた。


 リフィアはそれらをのんびりと食べながら、


(さて…夜までは、まだ少し時間があるし……。)


 そう思っていると後ろの席から話し声が聞こえてきた。


「ねぇ…クロノアは、何を買ったのら?」


「私はね…明日、この街を出て神々の塔に行くから…その道中に饅頭があるか分からないし…だから、持てるだけ買った…ミクは、何を買ったのかな?」


「んー…私はね…一応足りない装備とか…必要そうな備品とかアイテムなど買っておいたのら…。」


「へぇ…ミクは意外としっかりしてるんだね…。」


「へへん…そうなのら…だから、いつもリュウキに褒められるのら…。」


「あー…そうなのね…ははは…それはそうと…リュウキ…いつまで寝てるのかな?…あのまま酔っ払って…朝まで起きなかったりしてね…。」


「そうかも…リュウキ…ここに来てからなんか疲れてたみたいだったのら…。」


「ふ〜ん…ミク…リュウキの事ちゃんと見てるんだね…好きなのかな?」


「んー…多分、好きとは違うと思うのら…私ね、お兄ちゃんいないから…そんな存在なのら…。」


「あー…なるほどね…リュウキはどうなんだろうねぇ…。」


「…ん?」


 リフィアはその話を聞いていた。


(…異世界の者と偶然にも…こんなところで…確か…リュウキという者が…酔って、寝ていると言っていたが…これは、簡単に拉致する事が出来るかもしれないわね…ふふ…でも、夜まで待って…もし、そいつが起きてしまっては…んー…今行った方がいいかもしれないわね…。)


 そう思った後リフィアは会計を済ませ店を出てオパール魔導師学園に向かった。



 場所は移り…ここはオパール魔導師学園の寮のリュウキが寝ている部屋…。


 リュウキはまだ寝ていた。


 アリーシアは心配になり見に来ていた。


(リュウキ…大丈夫かな…私のせいで、眠ったまま起きないし…。)


 そう思いながらリュウキを覗いた。


(やっぱり…リュウキまだ寝てるよね…はぁ…お腹空いてきたし…食べたら…また来ようかなぁ…それに、リュウキ…起きたら…食べたいだろうし、何か持ってきてあげようかな…。)


 そう思いながら部屋を出て寮の食堂に向かった。


 リフィアは気配を消し天井でその様子を伺っていた。


(なるほど…あれが…リュウキか…確かに、ぐっすりと眠っているようね…。)


 リフィアはそう思った後、天井から部屋に入りリュウキに近づいた。


(この異世界の者を連れて行けば…アルベール様に褒めて頂ける……。)


 そう思いながらリフィアは持ってきていた縄を取り出し、リュウキを縛ろうとした。


 するとリュウキは目が覚めリフィアを見ると、


「…んー…ふぁー…いい女が…目の前にいる……それも、顔が間近…んー……。」


 リュウキは目覚めたが完全に酔いが覚めていなかった為に寝ぼけていた。


「ま、まさか…目を覚ますとは…これは、不味いわね…。」


 そう言うとリュウキは寝ぼけていた為、リフィアを見るなり抱きついた。


「んー…いい…抱き心地…ふぁー…んー…。」


「おい…何をする⁉︎…放せぇ〜…って…ん?…こいつ…まさか…寝ぼけているのか?」


 そう言うとリュウキを覗き込んだ。


「はぁ…寝ぼけているらしいけど…抱きつかれ動けない…さて…どうする?」


 そう言いながら考えているとリュウキは完全に目が覚めリフィアを見た。


 リュウキは自分が今何をしているか考え、その状況を把握し慌ててリフィアから離れた。


「あー…いや…俺…あんたに、何かしたか?」


「そうですね…寝ぼけて私に抱きついたみたいでしたが…それよりも、状況は変わってしまいましたが…あなたを、あの方の所に連れて行かねばならないので…。」


 そう言うとリフィアはリュウキに近づいて行った。


「それは…どういう事なんだ…なんで、俺を狙う?」


「それは、簡単な事…あなたが異世界の者…そして、街であなたのお仲間が話しているのを聞き…簡単に拉致する事が出来ると思ったのですが…まさか…起きてしまうとは…。」


 そう言うとリフィアは、誰も部屋に入ってこれないように、魔法で結界を張った。


 そして、リフィアはリュウキに攻撃を仕掛けた…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る