伝説‥6話〜大量の饅頭{改}

 ここは、オパール魔導師学園の、敷地内にある建物の中。


 ミクはルナと、その建物の中で、魔導師たちと話をしていると、そこにクロノアとディアスが、話をしながら入ってきた。


「クロノア。お前、饅頭なんこ買ったんだ?」


「ん〜、そうだなぁ。10箱以上は、買ったと思うけど」


「じゅ、10箱以上って……手に持ってないって事は、まさかとは思うが」


 そう言うと、その話を聞いていたルナが、


「クスクス。ディアス、お帰りなさい。もしかして、いま話していた饅頭って、あそこに山積みになっている、箱の事ですか?」


 そう言われディアスは、その箱の山を見た。


「ルナ。ただいま……って。クロノア!どう見ても10箱じゃなく、30箱はあるように見えるんだが。俺の目の錯覚か?」


「ディアス。それは錯覚じゃないと思いますよ。それで、召喚は成功したのですか?」


「ああ。とりあえずは成功した。こいつなんだがな」


 そう言うとクロノアを指差した。


 クロノアは饅頭を食べながら、


「ん?ああ。私は、クロノア・ノギア。よろしくねぇ。それにしても、この世界の饅頭は、美味しいわねぇ」


 そう言うと、また饅頭を食べ始めた。


「クスクス。面白い人ですね。私は、ルナ・バイオレットです」


「それで、ルナの方はどうだった?」


「もちろん、私も成功しましたよ。そしてこの人がそうです」


 そう言うとミクを見た。


 ミクは椅子に座っていたが立ち上がり、ルナ達を見て、


「私はミクなのら。よろしくなのら。ん〜、クロノアか……」


 そう言うとミクは考えながら、クロノアに視線を向けた。


「もしかして、ギルド 【クロノ★デス・ローズ】 の、ギルマスさんじゃ?あっ!間違ってたら、ゴメンなのら」


「へぇー。私の事だけじゃなくて、ギルドまで知ってるって事は……」


 クロノアはミクをマジマジと見ると、


「ミクって、名前だけしか知らなかったけど。まさか、アニぐるみのミク!そして【アニマル♡コレクターズ】 のギルドマスター。でも何で?」


「ホント、不思議なのら。こんな所で、デスクイーンのクロノアに会えるなんて、感激なのら」


 ミクがそう言うと、クロノアは歓喜のあまり抱きついた。


「私も感激〜!噂以上に可愛いし、もふもふだし、今日は羊なんだね。うんうん、あったか〜い」


「あっ!えっと。クロノアって、思ってたイメージと、違ってたのら。その辺、破壊したりって感じの、もっと怖い人かと思ってたのら」


「ははは……。まぁそれは、私を敵にまわせば、そうなると思うけどねぇ」


 そう言うと、ミクやその場にいた者すべてが、冗談に聞こえず、この人の事を、敵にまわさない方がいいと思った。


 そしてクロノアは、まだ饅頭を食べていた。

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