伝説‥7話〜泥まみれの帰還{改}

 ここはオパール魔導師学園。ルナ達がいる部屋の、隣にも部屋があり、そこには数名の見習い魔導師がいる。


 そして、アリーシア達と同級生の、ナイル・ルゼリオとダブロフ・リディアが、椅子に座り話をしていた。


「おい!ナイル、知ってるか?」


「ふあ〜。ダブロフ、どうしたんだ?」


「いやなぁ。ルナとディアスが、異世界人の召喚に成功したらしいぜ」


「ふぅ〜ん。まぁ、あの2人なら、成功してもおかしくないだろうな」


 眠い目をこすりながら、


「そういえばアリーシアも、異世界人の召喚をする為に、神殿の祭壇に行ったんじゃなかったか?」


「そういや、まだ戻ってないみたいだな」


「アリーシア。まさかと思うが、召喚に失敗したんじゃ?」


「なるほど、それで帰って来れないってか」


 そう話しながら2人は、部屋を出て中庭に向かった。




 ダブロフとナイルは、しばらく中庭で話をしていた。


 すると目の前に、泥だらけになり真っ黒になった、アリーシアとリュウキが現れた。


 2人は一瞬、誰だか分からず、その姿に驚き腰を抜かした。


「ダブロフにナイル。何で、驚いてるのかな?」


「……って、まさか、アリーシアなのか?」


「ダブロフ、そうだよ。ん〜何で、分からなかったのかな?」


「はぁ、アリーシア。鏡を見た方がいいぞ。それにしても、何で、そんなに汚れたんだ?」


「ナイル、えっとねぇ。これには色々と事情が……。ははははは……」


 そう言い、アリーシアは苦笑した。


「そんで、後ろにいるやつは、誰なんだ?」


「あ〜この人はね……」


 アリーシアが言おうとしたが、リュウキがそれをさえぎり、


「俺は、リュウキだ。そんで、アリーシア。ここが魔導師学園なのか?」


「あ、うん、そうだよ。やっと着いたね」


「アリーシア。まさかとは思うが。こいつが異世界人なのか?」


「ナイル、そうだよ。まぁ来る途中、色々あったからなぁ」


「リュウキって言ったか。ん〜、汚れているからよく分からんが。こいつ本当に強いのか?」


「ダブロフ。リュウキはねぇ〜、すごく強いんだよ」


 アリーシアは、はしゃぎながら、


「あの、サーベルタイガーの群れを、あっという間に、倒しちゃったしねぇ。それと、フレイバードの群れに襲われた時もね……」


「アリーシア。まさかお前、道に迷ってたのか?」


「ナイル。あははは……何処をどう間違えたのか、森に入っちゃってねぇ。やっと森を抜けてたどり着いた」


「それで、楽しく話をしている所、悪いんだが。これからどうすんだ?」


「あっ、そうだったね。流石にこの姿じゃ、皆の所には行けないねぇ。ん〜、寮のシャワー室なら、自由に使えるから……」


 そう言うと、リュウキとアリーシアは、ダブロフとナイルに手を振り、寮のシャワー室に向かった。


 リュウキとアリーシアが、行ったのを確認すると、ダブロフとナイルは、2人の事をしばらく話していた。

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