第3話

咲良を部屋に呼び、穂花は咲良と話し合いをした

「咲良、家で寝てたって言ったよね?なんか物音とかしなかった?」

咲良は、必死にあの晩のことを思い出していた

「しなかった」

穂花は咲良が両親を殺して、自分まで殺そうとしたなんて考えられないのだ

確かに血まみれの咲良を見たのだが、咲良の部屋に血まみれの服もなく、凶器の包丁もなく、警察が調べた限りの証拠もないのだ

だから警察は焦って、咲良にもう一度事情聴取がしたいと、言ってきたのであろう

それに咲良に人が殺せるなんて思えないのだ

「咲良、明日にはまた警察来るけど、なんか思い出せない??」

咲良は、必死に頭を動かした

「そういえば、その晩お母さんが誰かと電話してた気がする…」

咲良は思い出したように言い出した

「電話って??」

穂花は少しでもいいから情報がほしかった、自分の妹を守りたかったのだ

「内容はわかんないんだけど…お母さんが怒鳴ったり、泣いたり、叫んだりしてた…」

咲良はぽつりぽつりと電話をしていた母親のことを説明していた

「それで、部屋の前にお母さんが来た気がするの…、なにか話してた」

穂花は、咲良を撫でて落ち着かせて、話を聞いていた

「なんか、すすり泣きみたいな声がしたよ…?」

穂花は咲良を落ち着かせ、家にある、電話の履歴を調べた

そして、その晩、やはり母親は誰かと電話していたみたいだ

だが見知らぬ電話番号、それを穂花はメモをし咲良に言った

「このことは警察に言わないで、私調べてみたいの」

「おねぇちゃん…」

穂花は警察に寛容されて、もし咲良が捕まったらってことを考え、電話番号だけをメモして

咲良に警察に言わないように伝えた

翌日警察が来て、咲良は本当に寝ていたことを伝えなにか思い出したら連絡してくれと

警察は帰っていった

穂花はその夜、咲良を呼び

その電話番号に家の電話からかけてみることにした

「かけるよ、咲良」

穂花は咲良の手を握り、電話番号にかけた

そしたら渋い声の男性が出た

「なんだよ、生きてたのか??」

穂花の声は、母親に似ていたので、相手は穂花のことを母親だと思っているようだった

「あの、この前の話なんだけど」

穂花は相手にさとられないようにあの晩のことを聞き出そうとした

「ああ、あんたの娘さんのことか?」

穂花は、咲良のことを言っているのだと思った

「私の娘には…」

「どうやって生きてるのか知らないが、あんたの娘さんにあんたが背負った借金の肩代わりに薬を投薬して実験台にしていいって言ったのあんただろ」

穂花は息を飲んだ

「こっちには関係ないからな、もう電話してくんな」

電話は一方的に切られた

咲良にはなにか薬が盛られていたのか…??

実験台とはなにか、穂花は考えていた

恐らく、母親は、借金の肩代わりに咲良を差し出して、実験台にしていいという約束をしていたのだろう

確かに、一時期母親が咲良の様子を見たり、薬っぽい物を咲良が体調悪い時に風邪薬だと与えていた記憶はある、それも通常の量ではなかった

咲良はなにかしらの精神的不安定なのだろうか

だとしたらあの晩のことは…

咲良を病院に連れていくわけにもいかなかった

これで怪しい薬など出たら捕まるのは穂花だ

穂花は咲良に先程のことを説明し

自分と一緒に寝るように言った

穂花は咲良の観察を始めたのだ

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狂気の世界 リーシャ @jwpmpmw

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