第2話
穂花は目を覚ました、そこにはいつもと変わらない風景のいつも通りの朝が来た
穂花は昨日のことは夢なんだと考えることにした
あまり深く考えたくなかったのだろう
妹に殺されかけたのなんて
だが、それはすぐに現実となってしまった
穂花は自分の父と母の安否を確認する為に
下へ降りた昨日のことは夢だったんだと
自分に言い聞かせて、穂花はゆっくりと階段を下った
そして、父と母の部屋に着いた穂花はゆっくりとふすまを開けた
そこには無惨に殺された父と母の姿があった
「お母さん…お父さん…」
穂花は思わず泣き出してしまった
夢だったんだとという現実と、目の前にある悲惨な家族の姿
何故自分だけ生きてしまったのだろうと考えてしまったのだ
「おねぇちゃん…?」
穂花は泣いていて気付かなかったようだが、妹の咲良が自分の後ろに居た
穂花は咄嗟に体を動かし、咲良と距離を開けた
咲良は穂花と距離をつめようとした
「おねぇちゃん?どうしたの?」
「いや!来ないで人殺し!!」
穂花は自分を守るように、腕を振い、咲良から逃げたのだ
咲良は人殺しと言われた意味が理解出来ずに居た
穂花が見ていた無惨な両親の姿を咲良も見てしまった
咲良は泣き出した、穂花には全く意味がわからなかった
咲良が両親を殺したと思っていたからだ
泣く咲良に、穂花は近づいていき
「咲良、貴方なんでこんなことをしたの?」
咲良は穂花の方を見て
「おねぇちゃんが言ってる意味わかんない、私がなにをしたの?」
咲良はまるで、自分が両親を殺してないと言い張るように穂花に言った
穂花は怒りを覚えた、咲良は自分のやったことすら忘れてしまうそんな妹だったのかと
「私見たんだよ!!血だらけの包丁持った咲良を!!私も殺されかけた!」
穂花は咲良に向かって昨日の恐怖をぶつけた
だが、咲良は全く意味がわかってなかったようだ
「おねぇちゃん、私昨日普通に寝てたよ??」
穂花は唖然とした
咲良は自分は殺してないと主張するのだ
穂花はあくまでしらを切る咲良に、自分がやったとわからせる為に包丁を探し始めたのだが
包丁も見つからず、両親を殺したという証拠はなかったのだ
泣く咲良を落ち着かせ、昨日あったことを説明して、本当になにもしてないのかと咲良に聞いた
「咲良、なにも覚えてないの?」
「うん、昨日は、おねぇちゃん遅くなりそうってお母さんと話して、そのまま寝たよ?」
咲良は、自分が両親を殺してしまったと今知ったような様子だった
「おねぇちゃん…私、本当にそんなことしたの?」
咲良は優しく、自分からは行動もせず、ずっと私の後ろをついてくるおとなしい子だった
穂花はもしかしたらあれは咲良じゃなかったんじゃないか?と考えるようになった
自分の見間違えにしないと、この現実を受け入れられないのであろう
穂花は警察に連絡をし、泣く咲良の頭を撫でた
「咲良、警察は呼んだけど、自分が殺したなんて言わないようにしてね」
穂花は咲良の真相を知りたかったのだ
「私の見間違えってのもあるかもしれないし、それに本当に咲良が殺してなかったとしたら私は大事な妹を疑うことをしちゃったから」
咲良は泣きながら頷いた、自分は殺してないということを姉が信じてくれたと思ったからだ
それから数分して警察が来た
二人供事情聴衆を受け、警察による家宅捜索が行われた
穂花は咲良だけでも親戚にと考えていたのだが、もし咲良が殺したのだったら、親戚に迷惑はかけれないと考え
二人で住むことにした
両親の葬式も終わり、すべて片付いた頃警察から連絡があった
もう一度、事情聴衆をしたいと
穂花は警察の言うことに従って、咲良と二人で事情聴衆を受けたのだが
警察は咲良を疑っているようだった
それもそうだ、咲良には証拠がないのだ
それに本当に咲良が殺したとしたら殺人犯はそこに居ることになる
だが、咲良はあくまで寝ていたらしい
穂花はなにかがおかしいと思い
咲良と二人で、話し合うことにした
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