第312話 お風呂タイム

「……お風呂上がりましたので、ヘンリーさんどうぞ」

「そうか。ありがとう」

「わーい! お風呂お風呂ーっ!」


 カティとクレアが先に風呂へ入り、ラウラとネレーアも一緒に入ってもらうつもりだったのだが、初めての風呂を前にネレーアが怖がり、俺と一緒じゃないと嫌だ……とゴネた結果、俺とラウラとネレーアの三人で入る事になってしまった。

 くっ……本当ならば、ネレーアと二人きりが良かったのだが、


「……ラウラちゃんは、普段から兄たんと一緒に入っている。だから、今更別々に入らなくてもいい」


 そう言って、ラウラが頑として譲らない。

 ラウラの事だ。俺がネレーアにあんな事やこんな事をしたら、止めはしないだろうが、自分にもしろと言ってくるだろう。

 大人な身体なのに、何も知らない無垢なネレーアにあんな事やこんな事……具体的には、ちっぱいではない、大人おっぱいを揉みたい。顔を埋めたい。それ以上の事もしてみたい!

 だが、同じ事をラウラにしなければならないとなると……それは無理だ。

 なんていうか、人として終わってしまう気がする。


『あの、中身が子供のネレーアちゃんに、今ヘンリーさんが考えている事をしても、人として終わっていますからね?』

(だが、ラウラにするよりかは良いだろ?)

『……見た目が大人で中身が子供のネレーアちゃんと、見た目が子供で中身が大人のラウラちゃんでしたら、後者の方がまだセーフな気がするんですけど』

(いや、見た目的にはそっちの方がアウトじゃないか?)

『アウトですけど……というか、何れにしても、お風呂に入るんですよね!? 普通に入れば良いじゃないですかっ! 今、ヘンリーさんが想像しているような事をせずにっ!』


 一体、アオイは何を言っているのやら。

 目の前に、何をしても許してくれる可愛い女の子が居るんだ。

 その可愛い女の子と一緒に風呂へ入るとなれば、やる事は一つ――いや、いろんなプレイをしてみたいから、やる事は沢山あるけど――何もしないなど、有り得ないだろう。


「……ヘンリー様。やはり、私も監視として一緒に入りましょうか」

「む? 監視とはどういう意味だ?」

「その……はっきり言わせてもらうと、ヘンリー様がネレーアちゃんに変な事をしそうですから」

「はっはっは。ネレーアは見た目は大人でも、中身は子供なんだぞ? 俺がそんな事をするように見えるか?」

「……見えるから申し上げているのですが」


 くっ…流石はクレアだ。

 俺の思考を読んでいるっ!


『あの、よくそこまで堂々と嘘が吐けますね。ネレーアちゃんに、あんな事やこんな事をしようとしているのにっ!』

(ふっ……あんな事やこんな事をする為なら、仕方の無い事だ。……だが待てよ。いっそ、監視役としてクレアも一緒に風呂へ入ってもらい、クレアにもあんな事やこんな事を……)

『逃げてっ! クレアさん、今すぐ逃げてぇぇぇっ!』


 早速クレアに監視役を依頼しようとしたところで、


「……心配しなくても、ラウラちゃんが居る。問題ない」


 ラウラが無い胸を張り、任せろと余計な事を言う。


「ラウラさんはラウラさんで、逆にヘンリー様を襲いかねないのですが」

「いや、流石にそれは無いから」

「……その通り。襲うとかじゃなく、夫婦の営み」


 ラウラの言葉をどう捉えたのかは分からないが、クレアが小さな溜め息と共に引き下がる。

 あぁぁぁ……クレアも一緒に入れば良いのに。

 だが、まぁいい。

 当初考えていた計画を実行するまで!

 クレアとカティが、二人揃ってジト目で去って行ったので、ネレーアを連れて脱衣所へ。

 ネレーアは元から全裸で、俺も水着を脱ぐだけだが、ラウラの肌に貼りつく水着を何とか脱がして、いざ浴室へ。


「お水から、白い煙が出てるー!」

「それは湯気だな。それよりも、先ずは身体を綺麗にしよう。ネレーアは、ここに座ってくれ」

「はーい!」


 素直にネレーアが椅子へ座ると、何故かラウラもすぐ隣に椅子を持って来て座りだす。

 くっ……これはやはり、同じ事をしろという事か。

 仕方がない。ラウラはどうにかして有耶無耶にするとして、とにかく先ずはネレーアだ。


「じゃあ、先ずは身体にお湯をかけるぞ」

「あっかーい!」

「……兄たん。ラウラちゃんにも」


 ラウラは自分で出来るだろ……と内心ツッコミながらも、同じ様にお湯を流し、さて……ここからだ!


「じゃあ、次は石鹸で身体を綺麗にしよう。……ネレーアは初めてだから、お肌を傷つけ無い様に、お兄ちゃんが優しく手で洗ってあげるよ」

「うん、ありがとー!」

「……兄たん。ラウラちゃんも手で洗ってー」


 ふふっ。感謝までされているし、これはやるしかないだろう。

 ラウラの戯言をスルーしつつ、ネレーアの胸に手を伸ばした。

 

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