第313話 人間がお風呂へ入る時のルール

「さぁ、ネレーアの身体を綺麗にしようねー」


 石鹸を泡立てた手を伸ばし、ネレーアのDランクの胸へ。

 おぉぉぉ……イイっ! すべすべムチムチで、柔らかさと弾力を兼ね備えた、究極の存在……おっぱいだ。

 マーメイドたちから、ちっぱいを押し付けられるという地獄を味わった後だからか、尚更嬉しく感じてしまう。


「あはは……お兄ちゃん。くすぐったいよー!」

「だけど、綺麗にしないといけないからね。マーメイドはいつも海の中に居るけど、人間は水の中へ入る方が少ないから、念入りに洗わないといけないんだよ」

「そーなんだー。じゃぁ、洗ってくれたお礼に、後でネレーアがお兄ちゃんを洗ってあげるねー!」


 な、何だってー!

 なんとか言いくるめて、そういう話に持って行くつもりだったが、まさかネレーア自ら申し出てくれるとは!

 どうする? 俺が素手で洗っているから、ネレーアにも手でしてもらうというのが、最も自然だ。

 だが人間の文化に無知なネレーアだ。

 女性が男性を洗う時は、おっぱいを使わなければならないと教えてみようか。

 いや、違う。これは断固として教えるべきだっ!


「ありがとう、ネレーア。じゃあ、人間の世界での洗い方を教えよう」

「ん? お兄ちゃんがネレーアにしてくれているみたいに、手で洗うんじゃないのー?」

「それは、男が女の子を洗う場合だな。女の子が男を洗う時は少し違って、そのおっぱいを使って洗うんだよ」

「おっぱいを?」

「うむ。先ず、この石鹸を泡立てて、こうしておっぱい全体を揉む様にして泡を付けるんだ」

「うぅ……お兄ちゃん。くすぐったい……」


 ネレーアがくすぐったさに我慢しているのか、モジモジと小さく身体を震わせる。

 だが、全裸のネレーアのおっぱいを、正面から両手で鷲掴みしているんだ。

 こんなの止められないっ!


「お兄ちゃん……もう、おっぱいは綺麗になったし、泡もいっぱいついたよー」

「もう少し。もう少し揉みこもう」

「ふぇぇぇー……人間って大変」


 ネレーアの胸を揉みしだきまくり、十二分に堪能したので、もう少ししたら、この胸で俺を洗ってもらおうか。


「よし、もうちょっとだ。次はいよいよ、そのおっぱいで俺の身体を洗ってもらおう」

「うぅ……お兄ちゃん。ネレーア……もう、もう……ダメぇぇぇっ!」


 そう言って、ネレーアが激しく身体を震わせ……


「えっ!? ネレーア!? どこへ行ったんだ?」

「もー! お兄ちゃんがいっぱいくすぐったくするから、変身魔法が解けちゃったよー!」


 幼いマーメイドの姿になってしまった。


「じゃあ、今度はネレーアがお兄ちゃんを洗ってあげるね。おっぱいを使って洗うのが、人間のルールなんだよね」

「えっ!? ちょ、ちょっと待ってくれ」

「……兄たん。ラウラちゃんにも同じ事をする約束。でも先に、ラウラちゃんも兄たんを洗う。人間のルールで」


 おい、待て。

 ネレーアとラウラの二人が、ちっぱいに泡を沢山付け……くっ! 囲まれたっ!

 流石にテレポートで逃げたら、ネレーアに示しがつかず、二度と大人の姿でお風呂に入ってくれないだろう。

 あぁぁぁ……ちっぱいが、ちっぱいが迫ってくる!

 変身魔法を……先に変身魔法を使ってくれっ!


「お兄ちゃん。ネレーア、洗うの上手ー?」

「……あ、あぁ。上手だよ」

「えへへー。褒められたー! もっと頑張るねー!」


 俺がネレーアにした事をそのままなぞるように、椅子に座らされ、手の代わりにちっぱいが、俺の胸に押し付けられ、上下左右に動かされる。


「……兄たん。ラウラちゃんも洗うの上手?」

「はいはい。上手上手」

「……ちびっこマーメイドと対応が違う。不公平」

「いや、ラウラは……くっ、何でもない」


 ラウラは人間に、おっぱいで身体を洗うルールなど存在しない事を知っているだろ! ……とツッコミかけたけど、ネレーアが居るので口に出来ない。

 まさか、ネレーアのおっぱいを触り過ぎると、変身魔法が解けてしまうとは。

 凄く幸せになれると思っていたのに、とんでもない罠が潜んでいた。

 そして、


「……兄たん、約束。ラウラちゃんの身体を洗って」

「……はぁ。……へいへい」

「……タオルはダメ。同じ様に素手で洗う。……そう。んっ……もっと激しくしても良い」

「するかぁぁぁっ!」


 湯船で泳ぎ出したネレーアを他所に、何故かラウラの身体を洗わさせられる事になってしまった。

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