コウテイペンギン 題名「夢」

時折、私の見ている世界が全て夢なんじゃないか、と思ってしまうことがある。





ペパプのみんなと一緒に練習をして、たくさん汗をかいて、らいぶでたくさんのフレンズたちへ歌と踊りを届けて、みんなで騒いだり踊ったりして、毎日がとても楽しい日々で....




でも、本当は全部「夢」で。





目が覚めるとそこは極寒の地。

食べ物は配られる訳がなく、自分で探さなきゃ見つからない。雪が横から吹き付け、くっついていなければ生きていられない。みんながみんな自分が生き残ることに必死。他の誰かを心配している暇などない。


もしかすれば、「夢」を見ている私は、一番外側に押されていて


寒さで意識が朦朧としていて

今にも死んでしまうのかもしれない







だから、夜に一人で寝るのが怖いんだ







この「夢」の世界から覚めてしまうんじゃないか。またあの辛い世界に引き戻されてしまうんじゃないか。


眠りに落ちた時の【世界から切り離される】感覚が、いやだ






夜に怯えているこんな私を

誰か、こんな私を安心させてくれ



私より大きな身体で包まれるように抱きしめられたい、だが他のみんなは私より小さい




だから、ひとり自分の身体を抱きしめて落ち着かせるので精一杯なんだ








「夢」が終わってほしくない

ずっとこの世界にい続けたい








誰が私の胸の奥の空洞を埋めてくれるのだろうか


誰が大きな体で私を包んでくれるのだろうか




まだ、答えとなるフレンズは見つからない












あぁ、また世界と切り離される夜がきた

               ―――Fin

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