第3話 食料区域 後編


そのあとはフードにつられ畜産あらため肉生成工場を見学し加工施設へと移動した


肉生成の付近に近ずくと気持ちの悪いと言ったら、言い過ぎな奇妙な臭いが漂ってきた。その臭いの元である、ガラス張りの生成施設はせわしなくコムギバタケを細かく細かくを繰り返しやがてほんの少しの粉になるとベルトコンベヤーでどこかに運ばれていった。


「コムギバタケ一本から10ミリグラムもの肉の素が生成できるのですよ」

「肝心な肉になるところは?」

「そ、そこは秘密なんです……。」とフードは顔をそむけた

「みえないの?」とメープルはフードに顔を向けるが生成施設の先にはコウイチたちを連れて以降とはしなかった


「すいせまん。ですが!味は保障しますよ!これがハンバーガーってやつです。我々のデータベースには肉はこれが一番おいしく食べられると記されています」とフードはトレーいっぱいの紙にくるまれたハンバーガーを持ってきた

「おいしそう。」メープルは紙にくるまれたハンバーガーをまじまじと見る

「しかし、とんでもない量だね。」後ろの配給口には今か今かと紙にくるまれたハンバーガーがどんどんと追加されこぼれそうになっていた

「コウイチさん、めーぷるさん。こうやって食べます。と紙にくるまれたハンバーガーを剥きコウイチに渡す

 メープルはそれを真似るようにハンバーガーから不格好に紙を剥がした。パンにミンチ状に成型された焼かれた肉が挟まっている、とてもいい匂いのする料理だった


「どうぞ、お召し上がりください。これはいつか帰ってくる人間のために作っていた、物ですので、ぜひとも人間に食べてほしかったんです。作ってきたかいがありましたよ。いつ人間が戻ってきても、安心して暮らせるように。」

 フードは機械ながらもどこかを見つめ満足げにどこか寂しそうにして言った


 かぶりつくとじわりと広がる旨味が広がる。

「これが肉なのか……とっても美味しい」

 正しくは肉ではないが噛めば噛むほどうまい汁があふれてくる

 なんともおいしい食べ物だと思った


「こういち!おいしい!」口周りを汚しながら体全体でうまい!をメープルが表現するのを見てコウイチは苦笑をし「口元汚れてるぞ」とフードが渡してきたナプキンで柔らかい口元を拭う。

「ありがとうございます!生産者冥利につきます。」機械はどこから出したのかわからないが扇をもち小さなステップを踏んでいた


 その後もどんどん運ばれてくる。ハンバーガーをコウイチたちは食べていった

「おなか……いっぱい」

「俺もだ……こんなに食ったのは久しぶりだ」そして少しだけ目を開けると目の前にはハンバーガーがまだまだ山住に積まれていた

「なんで、こんなにも作ったんだ?そんなに食べれないぞ」

「いいんです、いつでも人間が来てもいいようにこうやって作っているのです。」

いまだに配給口から零れ落ちているハンバーガーをちらりと見て

「なんで、来ないのに作ってるんだ?」コウイチは疑問を投げつけた

「ええ、いつでも来てもらえるように準備をしなくてはなりません、それに今現在来てくれました」フードは少し頭を下げながら言った。


「ところで前に人が来たのがいつ頃だ?」コウイチはトレーに山住に積まれた紙くずを捨てながら聞いた

「そうですね。780年ほど前でしょうか?あの日は皆、ばたばたしてました。」

「どこへ向かった?」コウイチは地図を取り出そうとする

「目の前にいます。」とフードは冗談まじりに言った

 それを聞いたコウイチは大きなため息をつき「冗談はいいから」と言うとフードは「いえ、冗談ではありません。私達には識別できませんから、」とまた冗談交じりに言った

「じゃあ……いいよ。自分たちで探す。」コウイチは少しため息をつく

 そんな会話をぼぉーと眺めていたメープルが言った

「こういち、なんで、ひとをさがすの」

「わたくしも気になりました。あの様子だとよっぽどのことですね」

 コウイチは二人からせがまれゆっくりと口を開いた

「聞くことがあるんだ」とコウイチは窓から見えるアスファルトの一本道を眺めながら言った

「きくこと?」メープルはこういちの顔を覗きながら聞く頭の上に?マークが浮かび上がるんじゃないかというほど


 だがコウイチはメープルのその問に黙り喋ることはなかった


「では注文されていた、3か月分の携帯食糧が出来上がりました。」

 受付役のイミテーターの前へとコウイチたちは移動していた。

そういうと大きな箱にくるまれた3つの箱が手渡された


 3つの箱にはぎっしりと詰まったメープル味の携帯食糧がそこにはあった


「なんで3箱とも……メープルなんだ……」

「こういち……よんだ?」

「いや……この携帯食糧のことを言ってたんだよ」

 ?を浮かべるメープルにコウイチは苦笑いを浮かべるしかなかった

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